バレーボール男子日本代表で注目の若手から石川祐希まで、柳田将洋が解説するプレースタイルと意外な素顔 (2ページ目)
■高橋慶帆(たかはし・けいはん)オポジット/法政大
バレーボールに打ち込む意識の高さ、うまくなりたいというハングリーさを感じる選手です。アジア競技大会のときに初めて話をして、同大会で銅メダルを獲得するまでともに戦ったのですが、アジア競技大会の前半は西山選手がメインで出場していたので、慶帆選手の良さをアピールするのが難しい状況でした。
ただ、大会後半から自分のサーブの打ち方をしっかりつかんだのか、徐々にスパイクにも変化が見られて、強打だけではない幅の広い打ち方を心がけているように見えました。そういう「何かにトライしてみよう」という精神をひしひしと感じる選手です。
性格はとても真面目。あれだけ端正な顔立ちをしていて実際、アジア競技大会の際には世間に注目されて騒がれましたが、それに対してまずは戸惑っていて、「どういう対応をすればいいのかわからない」と話していました。
その後も浮ついた様子はまったくなく、ふたりで食事に行ったことが何回かあるのですが、終始バレーボールの話と、海外でプレーするにはどうしたらいいのかという相談でした。先にある"なりたい自分の姿"を強くイメージしながら行動している人なのだと思います。僕自身も慶帆選手のそういった姿勢をリスペクトし、刺激を受けています。将来が楽しみな選手であることは間違いありません。
慶帆選手がインタビューなどで僕を「憧れの選手」と言ってくれているそうなのですが、実際に本人から直接言われたことがあり、その際には「僕で大丈夫そう?」と答えました。「もっと世界のトッププレイヤーとか、日本でももっと上の選手を目指せばいいのに」と思ってしまって......。うれしいのですが「僕で大丈夫なの?」と不安になりました(笑)。
■山崎彰都(やまざき・あきと)アウトサイドヒッター/ウルフドッグス名古屋
国内リーグで対戦していたときからずっと実力のある選手だと思っていました。恵まれた跳躍力から幅広いコースにスパイクを打てるのが彼の特徴です。
実際にたくさん話をして、彼の人間性を知ったのは2023年のアジア競技大会のシーズンですね。自分のペースをしっかりと保っていて、誰からもコントロールされない人。そこが山崎選手の良さだと思っています。山崎選手のマイペースさというのは、試合状況が悪いときでも淡々と自分のやるべき役割を果たしてくれる強さを併せ持っています。チームが劣勢になると、多くの選手がその雰囲気に引きずられがちなのですが、山崎選手が空気を一変してくれて、チームが救われたことがアジア競技大会中にたくさんありました。あるときは山崎選手がメディア用のカメラをコート内に持って入り、みんなの表情をとらえてくれたこともあります。
他の選手が苦しいときにも、彼は変わらずに行動してくれるので、その姿を見て「もっと楽しんでバレーをしていいんだよね」と平常心に引き戻してくれたことがたくさんありました。もちろん実力はトッププレイヤーなのですが、そういったキャラクターがチームにとって必要不可欠な選手。VNLでもそういった姿を多く見ることができると期待しています。
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