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【女子バレー】NEC中川つかさをセッターとして成長させた皇后杯決勝の1本のトス「今でも自分のなかに残っている」 (3ページ目)

  • 田中夕子●取材・文 text by Yuko Tanaka

【これからもっと強くなる】

――この経験をSVリーグでどう活かしていくか、ということですね。

「正直に言うと怖いんです。また同じ場面が来た時に私はどうするのか。もちろん二千華さんにも『あの場面で決めてほしかったから上げた』という話をしたので、二千華さんも皇后杯の時とは違うと思うし、そういうなかで自分がどういう選択をしたらいいのか。すごく難しいですよね。だからまだ、試合をしていて"楽しい"とは思えない。毎回試合が終わると疲労困憊です(笑)」

――チームとしても中川さんご自身ももっと強くなるために、どうつなげていきたいですか?

「チームとして見れば、やっぱりまずは個々の強さがもっと出ないといけないと思います。特に後半、ファイナルに向けては技術も心の面も強くなっていかないと、最後に勝てるチームにはなれない。メンバーが固まってきたけれど、変化や刺激を加えながら成長していく。優勝する時って、油断することなく"いける"と共有できる時だと思うので、そういうチームになることが大事だと思っています。でも今はまだ、目の前の試合を戦うことが精いっぱい。試合が来るたび重圧に押しつぶされそうになりながら戦って、終わったらどっと疲れて、でもまた試合がくる。その繰り返しですね」

――楽しいと思う瞬間はありますか?

「難しい質問ですね(笑)。バレーボールが好きっていうのはずっとブレずにあるし、決めたことは絶対やりきる。そういう性格だから、楽しさはあまり感じないかもしれないです。やっぱり、楽しいのは勝った時かな。でも優勝してもそのうれしさとか楽しさって本当に一瞬。NECに入った年に、決勝の雰囲気を経験させてもらって、それは本当にすごいことなんですけど、私が何かしたわけではないので......。あの時は(古賀)紗理那さんとか(小島)満菜美さんとか、コートに入っている人たちの力があったからだと思うので、自分が出続けて優勝できたらどんな感覚なんだろう。想像できないけど、味わいたいですね」

――SVリーグは終盤へ、その後はまた日本代表シーズンが始まります。改めて、目標は?

「SVリーグで優勝することはもちろんですけど、個人としては、やっぱり一番はオリンピックに出て勝つこと。だからSVリーグの優勝も通過点なのかもしれない。そこからまた次の道が見えてくると思うし、だからこそ今をとにかく頑張りたい。何があっても絶対2028年のロサンゼルス五輪に行く、そこまで突っ走ると決めているので、そこまではやりきりたい。今はそこまでしか考えていないですけど、その時に『まだやりたい』と思えば4年後を目指すと思う。その時にならないとわからないですけど、長くやるかもしれないし、スパっと辞めるかもしれない。どうなるのかな。まずはとにかく、今を必死に頑張ります」

Profile
中川つかさ(なかがわ・つかさ)
2000年8月13日生まれ、大阪府出身。ポジション・セッター。身長159cm。
金蘭会中学、金蘭会高校、東海大の各カテゴリーすべてで日本一を経験している。高校3年の時には春高バレーで連覇を果たし、大学4年最後のインカレでも連覇を経験して、最優秀選手にも選ばれた。2023年にNECレッドロケッツ川崎に入団。2025年は日本代表としても活躍した。

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