坂口佳穂、東京五輪出場はならず。それでも「貴重な体験ができた」 (2ページ目)

  • 小崎仁久●文 text&photo by Kosaki Yoshihisa

 坂口の気合いの入った強打から始まった試合は、序盤から一進一退が続く。坂口&村上礼ペアは、武器である坂口のスパイクや村上礼のサーブで得点を重ねていったが、慣れないコート、大一番のプレッシャーからか、主導権をつかむまでには至らなかった。

 すると中盤、村上礼の強打が二見のブロックに止められると、次第に流れは長谷川&二見ペアに傾いていく。坂口のバックトスで相手コートにボールを落とすなど、意表をついた攻撃でリズムを変えようとするが、一度傾いた流れは止められず、第1セットは16-21で失った。

 第2セットもシーソーゲームとなった。坂口&村上礼ペアは中盤劣勢になりかけるも、長いラリーから坂口が強打を決めるなどして反撃。第1セットと違って、ブロックを避ける角度をつけたスパイクや、コート奥へのディープショットを多用して二見の高さも打開し、点差を離されることなく、終盤まで持ち込んだ。

 そうして、20-20のデュースに持ち込むと、相手もミスが増え、付け入る隙が見えてきた。しかし、チャンスボールからの軟打を二見に拾われて逆襲を許してしまう。結局、最後は坂口のストレートの強打がアウト。21-23で第2セットも落として、セットカウント0-2で敗れた。

 坂口は、「スパイクやサーブなどのミスが多く、決め切らなければいけないところで決められなかった」と振り返った。

 敗者復活戦の相手は、石井美樹(31歳)&村上めぐみ(35歳)だった。国内最強チームで、このトーナメントも本命視されていたが、1戦目は動きにまったく精彩がなく、ストレート負け。敗者復活サイドへ回ってきた。

 その戦いぶりを見る限り、坂口&村上礼ペアにも勝機はあると思われたが、日本トップチームの底力はさすがに違った。一戦目と打って変わって、プレーにキレが戻った石井&村上めぐみペアに序盤から圧倒された。強打がことごとく拾われ、効果的なサーブが決まらず、相手の強固なディフェンスの前に攻め手を欠いて、11-21で第1セットを落とした。

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