石川祐希、まさかのリベロで出場も「イタリア行きに後悔はまったくない」 (5ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari  坂本 清●写真 photo by Sakamoto Kiyoshi

――リベロで出場して、収穫はありましたか?

石川 試合勘がまったくない状態からの初リベロだったので、全然うまくはいきませんでしたが、久しぶりの実戦を体験することができたのはよかったです。リベロは点を獲れないポジションなのですが、その気持ちも、やってみて初めて少しはわかりました。負けてしまいましたが、いい経験はできたと思うので、自分にはプラスになりました。

 ここからがスタートだと思っています。ラティーナのtwitterやfacebookに結構載せてもらっているので、そこで自分のプレーをチェックすることができます。自分がここでバレーボールをして活躍しているところを、みなさんにも見ていただけたらと思います。


「後悔はしていないか?」と尋ねたとき、石川はキョトンとしていた。思ってもみなかった質問だったようだ。試合後の会見がやや歯切れが悪いものだったので、懸念していたのだが、心配はまったく必要ないようだ。リベロでの出場は、それだけフルにコートに立ち、セリエAの強いサーブやスパイクを受け続ける機会でもあった。

 チームメイトのフェイは、石川について「ユウキは国際的な感覚のある日本人で、ケガ明けの1週間でとても集中してたくさん練習していた。 彼が、私とトレヴィゾで一緒だった加藤陽一選手のように、私たちを助け、チームに貢献する選手になることを願っている」とコメントしてくれた。バニョーリ監督は、「ユウキがもっと出場機会を増やすためには、イタリアのサーブに慣れなくてはならない。レセプションとディグ、このふたつの向上が必要だ」と課題を挙げた。

 石川の攻撃力は間違いなく日本ではトップクラスだが、セリエAには同レベルか、それ以上の攻撃力を持つ選手はいくらでもいる。石川自身もレシーブ力の向上とともに、攻撃力でもセリエAの中で抜きん出て、活躍したいと希望している。今回のリベロとしての出場を糧にして、このあとのリーグ戦に臨んでほしい。

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