退任した女子バレー眞鍋元監督が語りつくす「2度の五輪と今後の日本」 (7ページ目)

  • 中西美雁●文 text by Nakanishi Mikari



―― ヴィクトリーナ姫路の、バレーチームと並ぶ、もうひとつの柱である「ヴィクトリーナドリームス」について、教えてください。

眞鍋 オリンピアンの、竹下佳江、佐野優子、大友愛、井上香織、彼女たちと一緒に、女性のセカンドキャリアを築いていこうというものです。このドリームスは、日本のバレー界を発展させようという目標のもとに、日本全国を回って、バレー教室をやったり、イベントを企画したりしています。森永乳業さんがスポンサーについてくださっています。

―― 活動の収入源は?

眞鍋 スポンサー様です。プロチームなので、ファンクラブ、後援会......みなさんのチームですから。

 元全日本選手のバレーボール教室はこれまでもあります。しかし、今までのバレー教室は基本的にボランティアですよね。姫路は事業として展開します。

 僕が一緒にやったロンドンのメンバーも引退して、"元"全日本選手になりました。彼女らは幼い頃から努力して、努力して全日本に選出されて、メダルを掴んだ。でも、あれだけ努力したのに引退したら経済面で不安定になり、将来に不安を感じています。そのような姿を見て、彼女たちの環境を変えてあげたいと思ったんです。

 つまり引退してからのキャリアのひとつとしてバレー教室などを開催し、経済面をサポートしたいんです。選手を引退してもみんなバレーが大好きですし、バレーに関わりたいんです。その一環として今回ドリームスを作ったんです。

 だから選手として姫路に来たら、頑張って五輪に行って、五輪に行ったあとはドリームスに入る。プロの選手として頑張って生き残れば、将来の安定が約束されているという環境を作りたいんです。この循環ならば、将来的に困らないと理解してもらい、まずはプロ選手として頑張ってほしいのです。そうなるとプロ化が絶対必要なんです。すごくいいシステムでしょう? 今までバレー界では誰も考えていないと思いますよ。

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