天才少年・錦織圭のフォアハンドは「世界で通用する」 5歳年上・添田豪の本音は「正直、認めたくない気持ち」 (5ページ目)
【総合力が高く、穴がない】
日本のファンたちの前で、互いの力を出しきり、戦えたという清々しさ。そのうえであらためて感じた、錦織圭の強さの精髄はどこにあったか?
添田氏が答える。
「あまりひねったことは言えないですが、総合的な能力が高く、穴がないと思います。ほかの選手に比べて弱点がないし、ボレーでもミスが少ない。懐(ふところ)が深く、崩れたように見える体勢でも、けっこうきれいにボレーを打っていました。
そういうところが、大切な場面で1ポイントの差を分けると思います。トップ選手との戦いになると、ひとつのボレーミスなどがブレイクに直結する。圭はやっぱり、そういったところが少なかったですよね。
あとは単純に、リターンのミスが少ない。そういうところが、結局は3セットを通して見たとき、勝負を分けたんじゃないかなと思います」
初めて練習で打ち合ったときに肌で感じた「特別感」と、プロとして対戦した時に実感した世界トップクラスの実力。選手時代には羨望も交えて見た「強い錦織圭」は、やがて両者の関係が『監督と選手』になった時に、これ以上なく頼もしい存在へと変わっていくのだった──。
(つづく)
◆添田豪の視点(2)>>「キャリアの最後に、みんなで一緒に過ごしたかった」
【profile】
添田豪(そえだ・ごう)
1984年9月5日生まれ、神奈川県藤沢市出身。4歳でテニスを始め、藤沢翔陵高時代の2001年に全国高校総体(インターハイ)で単複2冠を達成。2003年にプロ転向し、2008年、2009年に全日本選手権シングルスを連覇した。2012年はチェンナイ、アトランタのATPツアー2大会でベスト4入りし、同年7月に自己最高ATPランキング47位を記録。ロンドン五輪にも出場した。四大大会では全豪オープンとウインブルドンで2回戦に進出し、ATPチャレンジャー大会のシングルスで通算18タイトルを獲得。デビスカップでは日本代表としてシングルス24勝、通算26勝を挙げた。2022年限りで現役を引退し、2023年からデビスカップ日本代表監督を務める。身長178cm。
著者プロフィール
内田 暁 (うちだ・あかつき)
編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。2008年頃からテニスを追いはじめ、年の半分ほどは海外取材。著書に『錦織圭 リターンゲーム』(学研プラス)、『勝てる脳、負ける脳』(集英社)など。
【写真】日本女子テニス「6人のティーンエイジャー」フォトギャラリー
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