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天才少年・錦織圭のフォアハンドは「世界で通用する」 5歳年上・添田豪の本音は「正直、認めたくない気持ち」 (4ページ目)

  • 内田 暁●取材・文 text by Akatsuki Uchida

【あまり勝った気がしなかった】

 そして、ふたりの足跡は交錯する。

 添田氏と錦織の初対戦は、2012年7月。舞台はATPアトランタ大会の準々決勝。結果は、6-2、6-1のスコアで添田氏の勝利だった。この試合後に錦織は、純粋に相手を称賛し、自身の完敗を受け入れている。

 一方で添田氏は、「あまり勝った気がしなかった」と振り返った。

「圭が、すごくやりづらそうにしているのは感じましたから。最初から最後まで、相手の調子が全然上がってこない感じだったんです。

 僕は準々決勝まで勝ち上がり、調子がいいうえに、ノンプレッシャーで向かっていけた。試合前は『どこまでついていけるかな。もしかしたら数少ないチャンスを取れたら勝てるかな』と思っていたんです。対して圭は、最初から最後まで歯車が合わないままだったので、僕としては、『このスコアで勝っていいのかな』という感じだったんです」

 注目された一戦だっただけに、試合後は多くの人から「すごいね」と言われたという。ただ、本人のなかでは、どこか未消化な結末でもあった。だからこそ、彼は言う。

「ジャパンオープンで負けた時のほうが、なんか本当に戦った気持ちになりましたね」と。

 初対戦から約2カ月半後──。東京開催のジャパンオープン1回戦で、添田氏と錦織は再び相まみえる。結果は、6-4、2-6、3-6で添田氏の敗戦。だが内容的には、はるかに「戦っている」との実感を得られたという。

「やっぱり日本での対戦ということもあって、圭の気持ちの入り方が、アトランタの時とは違った感じがしました。もちろんプレッシャーも大きかっただろうけれど、絶対に負けられないという圭の気迫を感じました。

 自分としても、ちゃんと戦えている実感もありました。引いたら絶対に負けると思っていたので、ベースラインから下がらず、早い攻撃で圭の攻撃を防ごうと思ったんです。最初はそのプレーをやりきり、1セット目は取りました。

 ただ、徐々に彼のペースに引き込まれてしまって。ファイナルセットは自分もギアを一段上げましたが、最後は圭のほうが、アイデアがひとつ多かったのかなと思います」

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