錦織圭、全米で2年ぶりの勝利。理想と実際のプレーへのギャップは「1回戦にしてはよかった」
2年ぶりに錦織圭がUSオープンに帰って来た――。
錦織(ATPランキング56位、8月30日づけ/以下同)は、グランドスラムの今季最終戦・USオープンで11回目の出場を果たし、1回戦でサルバトーレ・カルーソ(113位、イタリア)を、6-1、6-1、5-7、6-3で破って2回戦へ進出した。
2年ぶりのUSオープンでまずは1勝を上げた錦織圭「4セットで勝ててちょっとホッとしています」と試合を振り返った錦織。よくも悪くも錦織次第という印象の試合となった。ただ、USオープンの前哨戦で、錦織が戦線離脱する要因となった右肩痛はまだ完治には至っていないようだ。
「肩(の調子)は悪くなかったですね。毎日よくなっているなかで、まだ100%治ったかと言われるとわからない。今日(1回戦)は問題なかったです」
こう語った錦織は、約3週間ぶりの試合となったが、第1セットではミス7本、第2セットではミス6本に抑えつつ、グランドストロークが冴えて試合の主導権を握りながら2セットを連取した。
このままストレートセットで錦織が勝利するかと思われたが、第3セット以降、ビッグショットはないものの粘り強くボールを拾って泥臭くテニスをするカルーソに対して、「自分自身にもプレッシャーがかかった」という錦織は、お互いサービスキープが続いていた第3セットで、第12ゲームをブレークされてセットを落としてしまう。
2人の実力を踏まえれば、錦織が負けることはなかなか想像しにくい試合ではあったものの、39本のミスを犯したカルーソに救われた部分はあった。
欲を言えば、錦織が3セットで勝つべき試合ではあったように思うが、今の錦織にそれを求めるのは酷なのかもしれない。
「もちろん3セットで、いい形で勝てるに越したことはない」と前置きしつつ錦織は、第4セット中盤でお互いブレーク合戦が続く苦しい場面で、いいプレーができたことを収穫として挙げた。結局、31本のウィナーを決めるものの、37本のミスを犯していた。
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