気になるタイムリミット。錦織圭は悲願達成へ「執念」を見せられるか (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

 そして、ワウリンカは、2014年1月オーストラリアンオープン初優勝、2014年4月MS1000・モンテカルロ大会初優勝。こういった例も踏まえ、錦織には、再びGSでチャンスが巡ってきた時には是が非でも優勝を掴み取ってほしい。

 2018年12月に錦織は、短いシーズンオフを使って、マイケル・チャンコーチと共にアメリカのロサンゼルスで2019年シーズンに向けた練習をしてさらなる進化を目指している。

「攻撃的なテニスに加えて、さらにタフさや力強さがストロークの面でも出てくれば、より相手にとってもやりにくくなるのかなと思う。自分が苦手にしている(守備も優れた)ジョコビッチみたいな、ああいうテニスも必要かなと思う。自分の攻めるスタイルにプラスできるものを、さらに加えていきたいと思います。攻めるだけでは勝てないので、もっといろんなところを強化して、弱点をなくしていきたいですね」

 今後29歳になり、錦織は少しずつ落ちていく体力と向き合うときが来るだろう。その中でテニスのクオリティーも高いレベルで維持していかなければならない。もちろんケガを再発させないフィジカルの強さも重要になる。

 錦織は、2018年12月31日に開幕するATPブリスベン大会から2019年シーズンをスタートさせ、そして、1月14日からメルボルンで開幕するGS初戦・オーストラリアンオープンに臨む。

「新たなワクワクがあるというか、また挑戦したい。大きな大会での優勝と、GSで常に上位に入れるように。オーストラリアンオープンでプレーをするのは好きです。いい結果を残したい。楽しみです」

 今でも錦織には、GSで初優勝できる力が備わっていると感じる。

 いまだにすさまじい執念を見せるフェデラーやナダルやジョコビッチを破ることは、もちろん容易ではないが、錦織が"執念"という言葉が似合う選手になった時、GSで彼らを打ち破り、その時こそ、GS初制覇が訪れると信じている。

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