錦織圭、アウェーで天敵に勝利。
もう「フランスだらけ」でも大丈夫だ (2ページ目)
試合の流れをつかんだペールは、錦織のセカンドサーブに対して果敢に攻撃し、ダウンザラインへ積極的にリターンを打ってポイントにつなげた。
ペールのバックハンドストロークのうまさはツアーの中でも指折りの選手だと、錦織は以前から語っていたが、この日はバックハンドだけでなく、絶妙なタッチのドロップショットを含めた予想の難しいトリッキーなプレーに苦しめられた。
だが、第4セットから錦織はテニスのレベルを上げるプレーにアップダウンはあったものの、再び攻撃的なボールを打って、試合終盤に自分へ流れを引き寄せ、勝利をたぐり寄せた。
「第4セットも、ファイナルセットも、自分から重いボールを彼のフォアに集めたり、なるべく左右に動かしたりするようにした。最後まで危なかったですけど、ちょっとアグレッシブにプレーできたことで、チャンスが広がって、悪い流れを変えられた」
苦戦はしたものの、センターコートの観客からの"圧力"に屈することなく、曲者であるペールから勝利をもぎ取った錦織は、これで"パリの呪縛"から解き放たれたのではないだろうか。
また、錦織は大会前に久しぶりとなるグランドスラムでの5セットマッチに、体力的な部分で一抹の不安を覚えていたが、実際に2時間59分におよぶ5セットを戦い終えることができたことも、今後に向けてプラス材料となるはずだ。
「(試合後)今は特に問題ないです。試合中はやっぱり、久しぶりの5セットだったので、長いなと感じる時もありました。でも、5セットにしては早い展開だったので、そんなに体のダメージはなく、疲れもそこまで残らないと思う。体は大丈夫だと思います」
3回戦で錦織は、第12シードのサム・クエリー(13位、アメリカ)を2回戦で破ったジル・シモン(65位、フランス)と初対戦する。
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