どちらがシードなのか。大坂なおみ、全米OPで元女王ケルバーに圧勝 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 今夏の北米ハードコートシーズンで、大坂はそれほどいい結果を残していたわけではない。初戦のWTAスタンフォード大会では1回戦敗退。続くWTAトロント大会では、カロリーナ・プリスコバ(1位、チェコ)との3回戦で腹筋痛が再発して途中棄権。しかし、そういう状況でも「ナンバーワンを相手に、いいプレーができました」と、大坂は自分なりにいい手ごたえを感じていた。

 その後、一旦フロリダに戻って治療してから、USオープン開幕まで2週間、練習とフィジカルトレーニングをしっかり消化、ニューヨーク入りしてからも、精力的に練習をこなした。腹筋のケガについて聞くと、「大丈夫」と答えてくれた大坂は1回戦に向けて上々な仕上がりを見せていた。

 彼女にとって2度目のUSオープンでの初戦の対戦相手が、元世界ナンバーワン、ケルバーに決まってもまったく気負いはなかった。

「本当に自分はプレッシャーを感じていません。むしろケルバーの方が、昨年優勝しているので、プレッシャーを感じるのではないでしょうか。自分はよいプレーができていると思うので、自分自身への期待はあります。勝ちたいと思いますし、楽しみたいです」

 昨年はマディソン・キーズとの3回戦で、勝利まであと2ポイントというところまでこぎつけながら、大坂がフォアボレーで痛恨のミスをしてベスト16進出を逃した。当時18歳、何度もリストバンドを目に当てて涙をぬぐった苦い経験を踏まえて、大坂は「とにかく泣かない」と誓った。

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