2017.07.08

大切なポイントを取れない。
錦織圭が抱える「もどかしさ」の種は何か

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 試合後、さほど時間を置かず会見場に現れるのは、錦織圭には珍しいことだった。

 単なるスケジュールの都合か、あるいは、敗戦のショックがそうさせたのか……。

ミスショットを連発して自身に苛立ちを見せる錦織圭「どのセットもブレークポイントがあったなかで、なかなか最後まで取り切れなくて。それが一番、ストレスが溜まる戦いの原因になった」

 勝敗を分けたそのカギを、錦織は淡々と振り返る。試合を通じて11本あったブレークポイントのうち、実際にブレークできたのはわずかに2本。それが最大の敗因であることは、本人が誰よりもわかっている。

「大切なときほど、いいプレーができた。ピンチのときも冷静で、すごく集中していた」

 対するロベルト・バウティスタ・アグート(スペイン)も、勝因をその点に求める。バウティスタ・アグートは錦織が過去4連勝している相手ではあるが、うち3つはクレーコートで、ひとつはハードコートでの対戦。芝で戦うのは、今回が初めてであった。

 今大会で第18シードにつけるバウティスタ・アグートは、スペインの選手なだけにクレーが得意かと思われがちだが、キャリア通算5つのタイトルの内訳は「芝1」「クレー1」「ハード3」。しかも初タイトルが芝であり、このコートには自信と相性のよさも感じていた。