杉田祐一、惜敗にも充実の夏。次なる目標は「ランキング30位前後」 (4ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「次の目標は、グランドスラムでシードを得られるランキング(30位前後)まで行くこと」

 初夏に密かに立てたその誓いが、実現可能な地点まで彼は来た。

 28歳の杉田が見せる快進撃は、日本テニス界そのものにも刺激を与えている。

 かねてより「27歳ころに心技体が噛み合う」という青写真を描いていた現在24歳のダニエル太郎は、「杉田くんを見て、僕もそれくらいの年齢にキャリアのピークを持っていける」と、自分の進む道の正しさを確信した。

 土居美咲や奈良くるみら女子選手も「彼の努力は見てきたので励みになる」と言い、日比野菜緒は勝因・敗因を明瞭に表す杉田の言葉に、今の彼の強さの一因を感じたという。

 当の杉田本人は、長い試行錯誤と苦闘の歴史があるからこそ、「一度ランキングが落ちると、戻ってくるのはかなり難しい」という厳しい現実から、目をそむけることはない。

「このレベルを維持しているのなら、かなり......長いことできるのかなと思います」

 覚悟と自信を抱き、自らを先へと駆り立てながら、「次のステップ」を目指す。

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