「まだどこも痛くない」錦織圭。
ウインブルドン次戦は打ち合い耐久戦に

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

2回戦勝利後、握手を交わす錦織圭2回戦勝利後、握手を交わす錦織圭  錦織圭(ATPランキング9位、7月3日付、以下同)が、ウインブルドン2回戦で、予選勝ち上がりのセルゲイ・スタコフスキ(122位、ウクライナ)を、6-4、6-7(7)、6-1、7-6(6)で破り、2年連続で3回戦に進出した。

 スタコフスキはサーブ&ボレーやネットプレーなどの攻撃的なプレーが得意で、さらに片手バックハンドのスライスがうまく、グラス(天然芝)コートに適したテニスができる。2013年ウインブルドン2回戦では、ウインブルドンで7回優勝しているロジャー・フェデラーを破るアップセットを演じたこともある。

 だから、この2回戦は錦織にとって、決してランキング差ほど簡単な対戦相手ではなかった。

 ファーストサーブでは全ポイントでサーブ&ボレーに出るという現代のテニスツアーでは稀有なプレーをするスタコフスキに対して、錦織はリターンポジションを前後に変えながらけん制し、リターンをスタコフスキの足元に沈めたり、セカンドサーブに対してはリターンを強打したりして、スタコフスキのサービスゲームで突破口を見出そうとした。

 また、「一番苦労したのは相手のスライス」と錦織が振り返ったように、スタコフスキのバックハンドのスライスが、グラスコートでは低く滑るようにバウンドするため、錦織は返球に苦労し、なかなか攻めきれず自分の展開に持ち込めなかった。

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