全米OP準優勝も収穫大。錦織圭の次なる目標は? (2ページ目)

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 さらに錦織は、初めてのグランドスラムの決勝に、嬉しさと緊張で胸が苦しくなり、なかなか寝付けなかったという。

「気持ちがたかぶるのを、昨日(決勝前日)から抑えられなかったので、今日の試合に入るのもやっぱり容易ではなかった」

 表彰式で錦織は、ティファニー製の準優勝シルバープレートを受け取っても、表情は硬いまま。ロッカールームに戻っても呆然としていた。そんな錦織を、普段は厳しいマイケル・チャンコーチは、「(当初USオープンは、ケガの影響で)希望はなかったが、決勝まで来られたことを評価する」と懸命に励ました。ダンテ・ボッティーニコーチも、「圭は素晴らしい。アメイジング! この調子をキープしていきたいね」と労(ねぎら)った。

 今回のUSオープンで、錦織が「夢の世界だった」と語るグランドスラムの準決勝と決勝を戦った経験は、グランドスラムの頂点を目指す彼にとって、今後の大きな財産となる。ニューヨークで大会最終日まで戦えたことは、来年以降、2週間の長丁場を戦っていく際の道標に、間違いなくなる。

「一番びっくりしているのは、どれだけ体をつくりこめば、決勝に行ける体力ができるのかと思ってやってきて、こうやって実現できたこと。(大会期間中)そんなに問題もなく、しっかり試合ができているというのは、すごく自信になる。ケガを恐れずこれからもやっていきたい」

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