【テニス】ロンドンへのラストスパート。クルム伊達がハードスケジュールの連戦を開始
岐阜の大会で優勝し、ランキングが74位となったクルム伊達公子 WTAツアー下部のITF岐阜大会「カンガルーカップ国際女子オープン2012」で、クルム伊達公子が、初優勝を飾った。
この大会は、2008年にクルム伊達が37歳で現役再チャレンジの第一歩を踏み出した思い出深いもの。4年前は、予選から勝ち上がり準優勝だったが、今回はそのリベンジを果たし、見事タイトルを勝ち取った。
「4年前と違い、第1シードとして優勝を狙いに来て、勝ち切れたことは、大きな収穫です」
この優勝によって、クルム伊達は、WTAランキングが74位になり、2011年2月以来の日本女子ナンバーワンに返り咲いた。
「別に日本のナンバーワンになることを目標にしているわけではないので、意識していません。私は私の道を行きます」
実は、クルム伊達が、ツアー大会に出場できるランキングを保持しながら、ツアー下部大会に出場したのには、ふたつの理由があった。
ひとつ目は、クルム伊達が、自他共に苦手と認めるレッドクレー(赤土)コートの大会の出場数を減らすことにあった。昨年は、4月からのヨーロッパクレーシーズンで、バルセロナ、マドリード、ローマ、ストラスブールと、いずれも初戦敗退を喫した。シュツットガルト大会の予選1回戦が、クレーシーズン唯一の勝ち星だったが(予選2回戦敗退)、結局、ローランギャロス(全仏)でも1回戦で負け、深刻なスランプに悩んだのだった。
もうひとつの理由は、ロンドン五輪出場へ向けて、ランキングポイントを稼ぐため。クルム伊達は、自らが得意とするハードコートの大会である岐阜を選択したのだ。
ロンドン五輪のテニス競技は、全仏直後の6月11日付けのWTAランキングによって出場者が決まる。競技は、64ドローで行なわれ、本戦ストレートインの目安は56位とされている(残りは、予選勝者や大会推薦枠)。
ただし、1カ国最大4人までという出場制限が設けられている。例えば、テニス強豪国のロシアは、56位以内に7人いるが、このうち3人は出場できない。そのため、他国選手との兼ね合いではあるが、60位台に位置すれば出場できる可能性が残されているのだ。
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