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エディー・ジョーンズ独占インタビュー 日本に戻ってきた理由を語る「初戦のイングランド戦はいい皮肉」 (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文 text by Saito Kenji

――昨年12月の就任会見から、「超速ラグビー」というキーワードを掲げました。概念、戦術を先に思いついたのか、それとも言葉を先に決めたのでしょうか?

 日本代表のヘッドコーチに就くと決断をした時、チームは過去にいいときもあったが、現状はうまくいっておらず、さほどいい成績を収めていなかった。何が足りないのかと考えたとき、必要なのは日本ラグビーのアイデンティティを取り戻すことだと考えました。日本のラグビーが成功を収めていたころの歴史を振り返ると、やはりアタックは、どんどん相手のディフェンスラインに仕掛ける、発明的、改革的なプレーがあった。ディフェンスでは非常に容赦ないタックルを続けていた。そのようなイメージで日本代表がプレーするところを自分も見ていました。あとは見ている人が興奮するような試合、プレーを見せていきたいと思った。

 そして日本人はキーワード、スローガンというものを好む傾向にあると思うので、私は戦略の専門家に会いにいきました。その方が「超速ラグビー」という言葉にまとめてくださった。「超速ラグビー」はキャッチーでインパクトがあるし、「超速ラグビー」と口にしたくなる。そして日本のラグビーをもっと見たい、知りたい、興奮するといったような意味合いも含めて、もっとユニークなチームになっていきたい。

――新生エディ・ジャパン、初戦ということで「超速ラグビー」を日本のラグビーファン、スポーツファンに試合で見せる初めての機会となります。

 もちろん、ワクワクします! ただ3年後(のW杯時)にはもっともっと興奮していると思います。アタックでボールを持っているとき、持たないときに関わらず、どういう意図でアタックをしているのかを見てほしい。集団的、コレクティブ(組織的)にスピードに乗ること、勇気を持って全員でプレーし、どんどん相手に仕掛けていく。相手のディフェンスに問いかけるような、迷わせるようなアタックをしていきたい。それを達成するためにやはり「インモーション」、つまり動き出しが必要です。

 そして、ディフェンスでは容赦なく、常に2枚でタックルに入ることが大事になってくる。常に日本は世界で一番、チョップタックルができるチームなので、ディフェンスでもどんどん前に上がり続けるチームを目指します。そういった姿勢をぜひ見ていただきたい。それこそが日本のラグビー、ジャパニーズラグビーだと思っています。

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