五輪断念のラグビー福岡堅樹が、「実録マンガ」に登場したわけを語る (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 松田崇範●撮影 photo by Matsuda Takanori


 前回のリオデジャネイロ五輪から正式採用されたセブンズ。日本は予選の初戦で強豪のニュージーランドに勝利し、その勢いで予選プールを突破、準々決勝ではフランスに逆転勝利する。しかし、準決勝ではフィジーに敗退し、3位決定戦では南アフリカに完敗。最終的にメダルには届かなかったが、4位入賞は大健闘とも言える成績だった。

「セブンズとしては、4位はすごい結果だと思うんです。けど、日本に戻ってきて、それを知っている人は少ないって感じましたね。やっぱり、五輪はメダルがすべてなんですよ」

 そう実感した福岡は、東京五輪でもう一度セブンズに挑戦したいと考えていた。あと一歩届かなかったメダルを手にすることを、自身の次のモチベーションとしてきた。

「ワールドカップも素晴らしいですけど、自国開催の五輪になると、日本全体がスポーツブームになると思うんです。そこに出場して、やり残してきたことをやり切れたら、これからの自分の将来に、大きな影響を与えるんじゃないかなと」

 そんな時、週刊ヤングジャンプ編集部(集英社)から福岡のマネジメント会社の担当者に、"実録マンガ"のオファーがあった。

* * *

 ヤングジャンプでは、これまでもサッカーのワールドカップや五輪に合わせて、注目選手の実録マンガを掲載してきた。特に五輪では、2000年のシドニーで競泳の田中雅美、2004年のアテネでは、柔道の野村忠宏、陸上ハンマー投げの室伏広治などの実録マンガで選手たちを応援し、その活躍を読者の記憶に刻んできた。

 そして、東京五輪の開幕直前にもスポーツの読切マンガだけを集めた増刊を出し、スポーツを盛り上げていきたいと考えていた。そのスポーツ増刊の目玉のひとつが選手の実録マンガであり、その主人公として白羽の矢が立ったのが、ラグビーワールドカップ2019で大活躍をし、東京五輪のセブンズにもチャレンジしようとしている福岡だったのである。

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