「3年居住」をクリアで代表へ。
新外国人ふたりが運動量で日本を救う (3ページ目)
フィジカルを生かしたプレーで代表入りを果たしたムーア 日本代表ではリーチを筆頭に10人のリーダーグループを形成しており、各々に役割がある。ラピースはチーム内で副キャプテン的な立場だ。「グラウンド外ではリーチ主将をサポートする役割で、(チーム戦術などの)落とし込みの手助けをする責任もある」。
一方のムーアは、かつてモデルを務めたこともあるイケメン選手だ。オーストラリア・ブリスベン出身で、もともとは13人制ラグビーをプレーしていた。2016年、東芝ブレイブルーパスに入ると同時に15人制ラグビーに転向。しかし、当初は15人制ラグビーに馴染めず、来日1年目はトップリーグ出場ゼロ試合に終わった。
ただ、東芝が誇る「偉大なLO」大野均に鍛えられ、2年目からはレギュラーの座を奪取。その後、宗像サニックスブルースに移籍したが、サンウルブズと宮崎合宿でのアピールが認められ、ラピースとともに日本代表入りを果たした。
「3年前に来日した時は、明確な目標はなかった。ですが、すぐに日本が好きになったし、日本のラグビーのプレースタイルも好きになった。振り返ると、来日して間もなく代表を目指すようになりました」
13人制ラグビーは15人制ラグビーと違い、タックルを4度成功させると攻撃権が移るため、タックルの強い選手が多い。また、FWながらランニングプレーを得意とする選手が多いのも特徴である。
LOのポジション争いでムーアが勝ち残ったのも、運動量やフィジカルで秀でていたからだ。「フィジカルが求められているリーグラグビー(13人制)の経験が役に立っています。1試合に30~40回くらいタックルするポジションだったので、タックルの技術を磨くことができた」。
ジョセフHCは外国出身選手の起用について、こう語る。
「外国出身選手はフィジカルの強さがあり、経験値も高い。ワールドカップで強豪国相手に勝機は1、2回しかないので、彼らの持っている経験値によって、チーム全体が自信を持ってプレーできる」
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