2019.04.28

揺らぐサンウルブズの大義。
大敗のなかにも一筋の光を見た

  • 松瀬 学●文 text Matsuse Manabu
  • 齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 平成最後のサンウルブズの試合は、よもやのつらい結果となった。スーパーラグビ―(SR)参入4年目にして初めての零封負けで、3連敗の2勝8敗。冷たい小雨の中、1万3千人余の観客の落胆とため息を誘った。

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 何のために戦うのか。何のために勝ちたいのか。いわばチームの大義が揺らいでいる。サンウルブズはSRからの来年度限りの除外が決まり、前日には2021年度からのトップリーグの改革案も発表された。選手たちにとっては、勝負に集中できる状況ではなかったろう。

 4月26日夜の東京・秩父宮ラグビー場。サンウルブズは、ハイランダーズ(ニュージーランド)に0-52の惨敗を喫した。試合後の記者会見。敗因を聞かれたトニー・ブラウンHC(ヘッドコーチ)は憔悴した顔で、「メンタル的な準備ができていなかった」と繰り返した。

「前半40分、すごくがっかりした。毎週、ベストなコンディションは難しい。平均以下のパフォーマンスだったので、50点差がついてしまった」

 確かに、ラグビーという競技は「心・技・体」の「心」の部分が大きくものをいう。闘争心だ。もちろん、サンウルブズは日本代表とは違う。でも、あえてゲームキャプテンのLO(ロック)トンプソン・ルークに聞いた。この試合から日本代表につながるものは? 

「僕らは日本代表とはまったく違うチームです。ただ、ベストじゃなければ、ニュージーランドのチームにこうやって50点差をつけられて負ける。受けていた。すべての部分で落胆しました」

 サンウルブズの選手も必死にからだを張ってはいるのだろうが、プレーオフ進出を目指すハイランダーズと比べると、戦う気概という点で見劣りした。接点の攻防、ブレイクダウンの激しさ、タックルの確実性、2人目のサポートプレーで後手を踏んだ。ハンドリングミスはともかく、そのミスしたボールへの反応も相手がはやかった。

 加えて、ゲームの基盤となるスクラムである。日本代表候補で編成する「ウルフパック」のそれとは一体感が違った。フロントロー陣3人の押す方向が微妙に違い、うしろ5人(ロック、フランカー、ナンバー8)との連携にゆるみがみえた。だから、ヒットした後、相手フォワードに押し返される格好となった。