ラグビー日本代表の新個性。「小兵フランカー」は強豪国にも負けない (2ページ目)

  • 斉藤健仁●取材・文・撮影 text & photo by Saito Kenji

 ただ、早い反応やアンストラクチャー(崩れた局面)からスピードを活かしたラグビーを目指すジョセフHCは、「日本人選手でいえば、小さい選手のほうがタフで勇気がある場合がたくさんある。小さいサイズを逆にアドバンテージにして、接点での低いプレーで相手にプレッシャーをかけてほしい」と、FLの「7番」のポジションに3人の日本人選手を招集した。

 その3人とは、トップリーグで首位を走るヤマハ発動機ジュビロでキャプテンを務める三村勇飛丸(ゆうひまる)、パナソニックワイルドナイツで存在感を示す布巻峻介、そしてリコーブラックラムズでルーキーながらトライを量産し、No.8でもプレーする松橋周平だ。3人とも身長は180cm弱、体重は96~99kgと体格的にはほぼ同じである。

 そのなかでも、特にコーチ陣やファンに印象的なプレーでインパクトを残したのは、24歳・布巻と23歳・松橋の若手ふたりだった。

 布巻と言えば、「花園」こと全国高校ラグビーで2連覇を果たした東福岡高時代のイメージが強いかもしれない。ただし、当時はSO(スタンドフ)やCTB(センター)などBKとしてプレーし、2年生で高校日本代表にも選出された逸材だった。父親がコカ・コーラウェスト(現コカ・コーラ)の選手だったこともあり、4歳からラグビーに親しんできた布巻はスキルや判断に優れており、早稲田大3年のときから「FLのほうが自分は生きるし、(ラグビーは)試合が始まったらポジションは関係ない」と、ポジションを変える決意をした。

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