【ラグビー】スコットランドに惜敗。若き戦士たちの2019年への宿題 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu  齋藤龍太郎●写真 photo by Saito Ryutaro

 対するスコットランドのディフェンスは分厚かった。タックルしても、すぐに立ち上がる。足を引きずりながら、次のポイントに走る。人数が減らなかった。フィジカル勝負というか、互いの意地と勝利への執念がぶつかった。いわば「我慢比べ」である。

 最後、SHの位置に入ったSO小野晃征がラックの右サイドに持ち込んで、ゴールライン寸前でボールを落とした。ノックオン。チャンスはつぶれた。ここでトライを重ねていれば、勝敗は逆になっていただろう。

 24歳の内田は「最後、どちらが我慢できるかだったと思います」と打ち明けた。

「勝負のポイントは、土壇場でどちらが我慢して基本プレーに立ち返れるかだと思います。そこのちっちゃな差かなと。ちゃんとボールをリリースするところ、ボールをちゃんと見てキャッチするところ......。基本プレーがいかに大事かということが身に沁みました」

 勝つためには? と聞かれて、主将の堀江翔太はこう、答えた。

「個々の能力を上げることもそうですが、ゲームの理解度、クロスゲームのところでどれだけディシプリン(規律)を大切にするかというところでしょう。精度が高いボールキャリア、基本のプレーも、です。2019年(のW杯)に向けて、選手個々が自分にベクトルを向けて、さらに上を目指すかというところだと思います」

 簡単にいえば、やはりディシプリンの差だった。確かにレフリングはひどく混沌としていたが、それでもPK となる反則17個は多すぎる。相手は7個。なぜか。問題はプレーの精度だけでなく、チームとしてオーガナイズドされてなかったのである。攻め方の徹底、選手間の連係、結束の強度。つまり、組織としての意思統一が薄かったのである。

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