【ラグビー】大畑大介が語るW杯「希望を込めて、日本は3勝2敗」 (2ページ目)

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 石山慎治●写真 photo by Ishiyama Shinji

――W杯と他の試合の違いはどこにありますか?

大畑 選手の本気度ですね。ワンプレー、ワンプレーごとの、1センチ、1ミリごとの激しさが違うのです。ラグビーって陣取り合戦じゃないですか。そのわずかなすき間に対して、躊躇なくすべてをぶつけてくる。一瞬一瞬の気持ちの入りようが全然違いました。わかりやすく言えば、ラグビー版オリンピックと言ってもいいのかもしれません。サッカーと同じように、もうW杯がすべてなんです。4年間の道程は正直、どうでもいい。W杯で何を成したかが大事なんです。道程で一喜一憂しても意味がない。4年間のテストマッチは学校でいえば、中間テストや期末テストのようなもの。W杯が入試や入社試験なのです。それがターゲットなんです。

――日本代表候補の選手はハードワークを続けています。コンディショニングの必要は?

大畑 まだ早いでしょ。まだ競争ですから。まだ選手は成長できる。ラグビーは15人といっても、個人の集合体です。個人の力が上がれば、チーム力も上がっていく。熱い情熱を持った選手たちにはメンバー争いを勝ち抜いてほしい。だから、W杯に出られることに重みを感じるのです。

――でも、けがの心配はないでしょうか。

大畑 それはもう、仕方ない。(チーム強化に)近道はない。エディー(・ジョーンズヘッドコーチ=HC)はたぶん、まだ力が足りないと思っている。伸びしろがあると思っているから鍛えているのでしょう。期待しているから、ハードワークなのです。エディー自身は選手をまだ信用していないというか、日本のラグビー界自体を信用していないのかもしれません。逆にいえば"日本はもっともっとできるんだ"という確信が当然あると思います。

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