【ラグビー】打倒・オールブラックスへ。ジャパンが6月から立てた綿密な計画

  • 向風見也●文 text by Mukai Fumiya
  • 井田新輔●写真 photo by Ida Shinsuke

 ラグビー日本代表は11月2日に「オールブラックス」ことニュージーランド代表と激突する。東京・秩父宮ラグビー場で行なわれるこのゲームは、チケットが発売されるや即日完売となるなど、高い注目を集めている。

日本代表の最年少記録を持つ藤田慶和も今回のオールブラックス戦に闘志を燃やしてる日本代表の最年少記録を持つ藤田慶和も今回のオールブラックス戦に闘志を燃やしてる

 現世界ランク1位のオールブラックスは、ラグビーを国技とするニュージーランドの象徴的存在だ。同15位の日本代表は、オールブラックスと過去4度対戦したが、いずれも大敗。特に、1995年の南アフリカワールドカップでは、17-145と歴史的大敗を喫した。このオールブラックスと戦った80分は、日本ラグビーの人気が低迷したきっかけとも言われている。

 しかし今回の日本代表は、そんな相手に胸を借りるつもりなど一切ない。本気で勝ちに行くのだ。その意気込みは、マッチメイクが正式に決まる前から現れていた。日本代表の面々が、オールブラックス戦の報せを知ったのは、春のツアーに参戦していた6月上旬だった。

「近く、正式に報道される。メディアや家族、友人には言わないように」

 最初、関係者にこう聞かされた時はピンと来なかった選手たちも、徐々に実感を高めることとなる。

 ハカ――オールブラックスの選手が試合前に行なう伝統的な儀式である。自分たちの力を誇示し、相手を威嚇する舞は迫力満点で、これに圧倒されてオールブラックスにペースを握られる国は少なくない。

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