【ラグビー】18歳・藤田慶和に日本代表の先輩たちが伝えたいこと (3ページ目)
そして5月5日、福岡レベルファイブスタジアムで行なわれたUAE代表とのアジア5カ国対抗の第2戦。背番号11をつけて初の代表戦に挑んだ藤田は、18歳7カ月とテストマッチ出場の史上最年少記録を更新。6つのトライを奪う大活躍を見せた。
華々しい代表デビューから1週間後、敵地・城南総合運動場での韓国との第3戦はベンチで観戦した。そこで藤田は、小野澤のプレイをこう捉えた。
「コミュニケーションを取ったりと、トライに至るプロセスがすばらしかった」
藤田のいう「コミュニケーション」とは、試合中の具体的な声の掛け合いだ。事実、試合中の小野澤は、定位置の左タッチライン際から細かな指示を常に出している。自分と離れたところにボールがある時でも「自分がボールを欲しいのか、欲しいのであれば、その前に内側の選手がどういう動きをして、自分がどうボールを受けたいのか」といった「情報の伝達」をしていたのだ。
先輩たちのプレイを目の当たりにした藤田は、力不足を認めつつ悔しさをにじませた。
「自分の能力がそこ(レギュラー)に達していないのがわかったので。これからどうすればメンバーに入っていけるかを考えてやっていきたいです。スーパー15を目指したら、ジャパンのレギュラーにもなれる。上を目指したいですね」
自らも10代で代表入りした経験を持つフルバック五郎丸歩は、「テストマッチはプライドを持ってやらなきゃいけないと、僕も先輩の方から言葉ではなくプレイで教わった。僕も小野澤さん、大野さんから教わったことを若い選手たちに伝えていければと思います」と語る。
今回、「文化を継承する選手」たちから多くのことを学んだ藤田をはじめとする若い選手たち。その経験をどのように生かしていくのか。今後、日本代表の注目ポイントのひとつとなりそうだ。
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