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元アマ横綱・花田秀虎のNFL挑戦2年目でわかったこと「ドラフト候補のレベルはケタ違い。見たことのない動きをする」 (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【あのレベルはちょっと...異常】

── そして翌2024年シーズンは、出場自体がありませんでした。

「右肩を脱臼してしまったんです。開幕前までは本当に調子がよくて、そのシーズンはバンバン出て活躍するつもりでいたんですけど、初戦のテキサス大(前年度全米ランキング4位)との試合の1週間前に肩を脱臼してしまって......。その瞬間、試合に出られないどころか『今シーズンはもうダメだ』ってなっちゃったんですよね」

── かなり失望されたと思います。

「めちゃめちゃ落ち込みました。あの時はきつかったなぁ」

── 相手が超強豪のテキサス大ですし。

「そこで活躍できていれば、注目されていたと思います。その試合はけっこう楽しみにしていたんですけどね」

── コロラド州立大で2シーズンを過ごし、目指すNFLとの距離感はどうですか?

「やっぱり、NFLはとんでもない世界だと感じました。あのレベルはちょっと......異常ですね。アメリカに行ってみて『俺はとんでもないことに挑戦したんだ』っていうのを、より身に染みて感じました」

──「NFLがとんでもない世界だと感じた」部分を、もう少し具体的に話してもらえますか。

「ケガをしてしまったのですが、テキサス大戦には連れていってもらえたんです。試合を間近で見て、その試合には、その後ドラフトされて現在NFLで活躍している選手たちがプレーしていました。

 彼らのスピード感、俊敏性......見たことのないような動きをするんです。そしてプレーの完成度が......僕がいるコロラド州立大もけっこうレベルは高いんですが、彼らのレベルはケタ違いという印象でした」

── NFL選手になるための道のりを山登りで例えるなら、今は何合目まで来ていますか?

「本当に狭き門なので......山で例えるのは難しいですね。どうだろうな......『不思議の国のアリス』で、アリスが白うさぎを追って穴に落ちた先で見つけた本当に小さな扉に、僕が入っていく感じですかね......」

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