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元アマ横綱・花田秀虎のNFL挑戦2年目でわかったこと「ドラフト候補のレベルはケタ違い。見たことのない動きをする」 (2ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka

【「相撲でぶち抜いてこい!」】

── 2023シーズンはレッドシャツ扱いだったとはいえ、守備の最前線を担うディフェンスラインの選手として2試合に出場しています(特例で最大4試合まで出場可能)。これはどういう経緯だったのですか?

「最初に出場したのは、『エアフォース』という空軍(士官学校)との試合でした。オフェンスラインは通常ツーポジションといって、腰を屈めて立った状態からプレーを始めるんですけど、エアフォースは昔ながらのラン中心の戦術なので、オフェンスラインはフォースタンス(手足の4点を地面につけた低い体勢)なんです。

 だからスタートはディフェンスラインと真っ向からのぶつかり合いで、それがほぼ相撲の立ち合いと同じなんですよね。それで僕が起用されることになったんです。戦術的な理由が僕のスタイルとドンピシャだった。『相撲でぶち抜いてこい!』って言われて出場しました」

── 出場すると決まった時に、どのような心境でしたか?

「『ヨッシャ!』って感じでしたね。エアフォースとの試合は10月の中旬くらいだったんですけど、その頃はちょっとずつアメリカの環境にも慣れてきて、やっと周りが見えてきていたので、『やっと(出番が)来たか!』という感じでした」

── その試合では、まさかの雪が降りました。滅多にないデビュー戦ですよね。

「だから、昨日のことのように思い出せるんです。フィールドに入る瞬間に空を見上げたら、雪がブワーッと降り出して、それがめっちゃきれいだったんですよね。そんな雰囲気のなかで大観衆の見守るフィールドに入っていけたのは、本当に最高でした」

── その次のワイオミング大との試合にも出場しています。同じく戦術的な理由ですか?

「ワイオミング戦は、エアフォースでの出来がよかった(タックルを3つ記録)ので使ってもらえたんです。だけど、ケガを負っていた右ひじをその試合でまた壊してしまって......。トレーナーに『プレーはやめておけ』と言われてしまい、それから出場機会が取れなくなってしまった。もったいなかったなと思います」

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