「打倒中国」はもう夢じゃない。日本史上最強メンバーで世界卓球Vへ (4ページ目)

photo by Noto Sunaophoto by Noto Sunao そんな平野選手の活躍が刺激になって、伊藤選手もさらに進化します。団体戦で銅メダルを獲得したリオ五輪以降は調子が上がりきらず悩んでいる時期もありましたが、それまであまり力を入れていなかった体幹トレーニングをしっかりやるようになったそうです。

 伊藤選手は、今年の全日本を圧倒的な強さで勝ち上がり、シングルスとダブルス、ミックスダブルスで優勝。見事、三冠を果たしました。体幹が強化され、課題にしていたフットワークがよくなり、パワーのある中国勢と勝負できるスピードを手にした伊藤選手が世界とどう戦うのか注目です。

 そして、平野選手、伊藤選手と同学年の早田選手。高校3年生トリオの中でも、この1、2年で急成長を見せています。世界卓球2017ドイツでも、伊藤選手と組んだ女子ダブルスで銅メダルに輝きました。自らの特徴について「フォアドライブのパワーは世界でもトップレベルかな」と自信を見せるほどのパワーを使って、中国とのダイナミックな卓球に期待したいです。

 さらに、最年少であり、"サプライズ選出"となった長崎選手。世界ランクこそ128位ですが、昨年の世界ジュニアで前年の女王である中国選手を破っています。早田選手と同じく、日本人の女子選手としては160センチを超える大型の選手。初めての世界卓球だからこその"サプライズ"な結果を見せてくれるかが楽しみです。

 そして、今回世界卓球で初めて日本女子のキャプテンを務める石川選手も進化を続けています。去年、平野選手に日本女王の座を奪われ、「久しぶりに全日本で負けたので、プレッシャーからは少し解放されたかなと思います。来年は挑戦者としてまた頑張ります」と話した石川選手。その後、バックハンドやカット打ちをより強化し、今年のアジアカップでは日本勢で唯一、表彰台に上がりました。

 準決勝では中国の陳夢(チン・ム)選手に敗れるも、「自分のペースになるプレーも増えてきた」と、自身の卓球の成長と、中国との差が縮まっている実感を口にし、進化を見せ続けてくれています。

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