次々と快挙を達成。日本は「バドミントン王国」になれるのか (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • AP/アフロ●写真 photo by AP/AFLO

 3月10日現在の五輪レースランキング(2015年5月4日以降の試合が対象)では、男子シングルスは4位の桃田以外は出場が厳しい状況。女子シングルスは6位の奥原に続いて、山口茜がランキング10位だが、すぐ後ろには佐藤冴香(12位)と橋本由衣(13位)、三谷美菜津(16位)がおり可能性を残している。男子ダブルスは8位の早川・遠藤のみで、女子ダブルスは5位の高橋・松友が確実。10位の福万・興猶と11位の松尾静香・内藤真実がランキング8位以内に入れるかどうかという状況だ。

 そんな激しい五輪出場権争いをしている日本は、なぜここまでレベルアップしたのだろうか。その要因は、04年アテネ五輪でシングルス5名、ダブルス4ペアが出場しながらも、わずか1勝のみと惨敗してからの取り組みにある。

 92年バルセロナ五輪男子ダブルス優勝など、実績を持つ朴柱奉(パク・ジュボン)氏を韓国からヘッドコーチとして招聘。07年から始まったスーパーシリーズのようなレベルの高い国際試合に選手を積極的に出場させ、ハイレベルな戦いの中で技術を上げるとともに、“世界と戦う”という気持ちを明確に持たせる意識改革を行なった。

 さらに、練習でも様々な場面で考えながらプレーをすることを徹底させた。その効果は、07年世界選手権男子ダブルスと、女子ダブルス(小椋久美子・潮田玲子)の銅メダル獲得につながり、08年北京五輪では男子ダブルス(桝田圭太・大束忠)の5位、女子ダブルスの(末綱聡子・前田美順)の4位と小椋・潮田の5位という結果になって現れた。

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