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【女子バスケ日本代表】20歳のPG田中こころ、WNBA指名から初のワールドカップへ「人生が変わった」激動の1年 (2ページ目)

  • 田島早苗●取材・文 text by Sanae Tajima

――それでも決勝トーナメントでは、特に準決勝の中国戦で27得点と勝利に大きく貢献しました。

「私、めっちゃ泣いたんですよ、予選の最終戦前にコーリーに呼ばれて。『ココ』(田中のコートネーム)と声をかけられた瞬間から泣いてしまいましたね。コーリーはそれに驚いて、『泣かせるつもりはなかったんだよ』と言っていましたが、その時に『らしくないよ』『シュートをどんどん打つココを世界に見せるために連れてきたのだから、思いきりやってほしい』といった言葉をかけてもらい、それで吹っきれたところはありました。それに先輩たちからも『大丈夫』と声をかけてもらいました」

――だからこそ、コーリーHCの言葉が響いたわけですね。

「実は、それまでの試合ではずっとコーリーに怒られていたんです。それは私がよくなかったので、『ココ、何でやらないの』と。私自身も分かっているけどできなくて、そんな自分に苛立っていたので、今は無理かな......というタイミングでしたね」

――アジアカップでは壁に当たり、大会中にそれを乗り越えることができましたか。

「そうですね。U19日本代表の選手たちが頑張っているなか、私も『(自分が日本代表ではなく)U19のワールドカップに行っていたら(もっと)活躍できたんじゃないか』と思われるのは嫌でした。最終的には決勝で負けて準優勝でしたが、自分のキャリアとしてはすごくよかったのではないかと思います」

【ワールドカップに向けて成長中】

――その後、2026年3月にはワールドカップ予選に出場。3連敗からの2連勝で最後は日本を含む3チームが勝敗で並ぶなど、僅差での出場権獲得でした。

「今までアンダーカテゴリーで国際試合には出場しましたが、私自身はアジアまでで、(アジア以外の大陸の国と対戦する)ワールドカップなどには出たことがありませんでした。予選ではヨーロッパなどのチームが相手にいて、不安よりはすごくワクワクした気持ちで挑みました。でも、そう簡単にはいかない現実をこの大会ですごく感じましたね」

――かねてから試合では緊張しないと言っていますが、この大会でも緊張はなかったのでしょうか?

「世界にはどんな相手がいるのだろうと思いながら、いざ相手を目の前にしたら少し受け身になったところがありました。これを緊張というのかはわからないですが、『今、ビビってるわ』と思った瞬間は結構ありましたね。でも、それがよくないプレーにつながっていたわけではないと思っています」

――それは今までにはなかった感覚ですか?

「あまりないですね。もちろん、大会ではどこが相手でも『自分が絶対に最初のシュートを打つ』といったように強い気持ちで入っていたけれど、やっぱりどこかで圧倒された感じがあったのだと思います」

――こうして振り返ると日本代表1年目はいろいろな経験をしましたね。

「コーリーとも濃い時間を過ごしていて、まだ(代表活動)2年目ですが、もう7、8年一緒にやっているぐらい内容が濃いですね。昨年は19歳であれだけの経験をさせてもらいました。もう、この先ないだろうなと感じるぐらい、いい経験も悪い経験もさせてもらったので、考え方も含めてすごく変わりました」

【後編】原点は「ポートボール」WNBA指名を受けた20歳のPG・田中こころ>>

Profile
田中こころ(たなか・こころ)
2006年1月10日生まれ、大阪府出身。KAGO CLUB(大阪府)-桜花学園高校(愛知県)-ENEOSサンフラワーズ。身長173㎝。ポジションはポイントガード(PG)。桜花学園時代は、2年時から主力となり、3年時にダブルキャプテンを務めた。世代別の代表も経験。2024年にENEOSに加入すると、2025年には19歳で初めて日本代表に選出された。2026年4月にはWNBAドラフトで全体38位指名を受けたが、今シーズンはENEOSと日本代表に専念することを表明。女子バスケ界の新エースとしての活躍に期待がかかる。

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