NBA伝説の名選手:レイ・アレン 才能ではなく積み重ねで築いた一流スコアラーの記録と "歴史に名を刻むビッグショット"の記憶 (3ページ目)
【殿堂入りは才能ではなく、一生懸命にやった結果】
NBAキャリア18シーズンで、アレンはオールスターに10度、オールNBAチームに2度選ばれ、キャリア平均18.9得点、4.1リバウンド、3.4アシストに3ポイント成功率40.0%(平均2.3本成功)をマーク。
通算3ポイント成功2973本はNBA歴代トップ(引退時/現在は3位)で、勝負どころでも美しいフォームから放たれるジャンパーや3ポイントを何度も沈めてきた。
コート外での活躍もあり、1998年に公開された映画『He Got Game』(邦題:ラストゲーム)では、名優デンゼル・ワシントンとともにバスケットボール選手のジーザス・シャトルワース役で主演し、一時は本名よりも有名になるほど注目を浴びた。
日本にも度々訪れている。大学2年次を終えた1995年夏にユニバーシアード福岡大会でアメリカ代表として出場して金メダルを獲得。2018年10月にも来日し、昨年6月にはパリ五輪男子日本代表の合宿を訪問したり、渋谷で開催された「NBAフェスin Japan 2024」に登場してファンと交流し、5歳から18歳を対象にしたバスケットボール・クリニックにも参加した。
2018年に殿堂入りした男は、翌2019年に34番がコネチカット大学の永久欠番となり、2021年10月に発表されたNBAの75周年記念チームにも名を連ねた。
殿堂入り式典で、アレンは「私は才能を信じていません。ここにいられるのは、人生を通して一生懸命やってきたからです」とスピーチ。父のストイックな姿勢を見習い、恵まれた才能に溺れることなく日々黙々とゲームライクな練習を続けてきたからこそ、アレンは2013年ファイナルで歴史を作り、歴代有数のバスケットボール選手になったのである。
【Profile】レイ・アレン(Ray Allen)/1975年7月20日生まれ、アメリア・カリフォルニア州出身。1996年NBAドラフト1巡目5位(ミネソタ・ティンバーウルブズ)。
●NBA所属歴:ミルウォーキー・バックス(1996-97〜2002-03途)―シアトル・スーパーソニックス(2002-03途〜2006-07)―ボストン・セルティックス(2007-08〜2011-12) ―マイアミ・ヒート(2012-13〜2013-14)
●NBA王座2回(2008、13)/オールスター・3ポイントコンテスト優勝1回(2001)
*所属歴以外のシーズン表記は後年(1979-80=1980)
著者プロフィール
秋山裕之 (あきやま・ひろゆき)
フリーランスライター。東京都出身。NBA好きが高じて飲食業界から出版業界へ転職。その後バスケットボール雑誌の編集を経てフリーランスに転身し、現在は主にNBAのライターとして『バスケットボールキング』、『THE DIGEST』、『ダンクシュート』、『月刊バスケットボール』などへ寄稿している。
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