NBA伝説の名選手:ベン・ウォーレス 「史上最高のドラフト外選手」の呼び声高い偉大なるハードワーカー (2ページ目)
【栄華を極めたピストンズ時代】
そこで不動の先発センターとなった男は、早速ファンのお気に入りとなり、デトロイトの"ハート&ソウル"として台頭。移籍1年目に平均13.2リバウンド、2.3ブロックを記録すると、2001-02シーズンに平均13.0リバウンド、3.5ブロックでリーグトップに立ち、最優秀ディフェンス選手賞に輝く。翌2002-03シーズンも同15.4本で2年連続のリバウンド王、最優秀ディフェンス選手賞になるなど、守護神として猛威を振るった。
2003-04年シーズンは、泥臭いディフェンスを軸とした戦略で、それまでに大学、NBAで多くのチームを強豪に育て上げてきた名将ラリー・ブラウンがヘッドコーチ(HC)に就任。ウォーレスの強みはさらに生かされる。チームメートにはチャウンシー・ビラップス、リチャード・ハミルトン、テイショーン・プリンスとタレントが揃い、さらには2004年2月のトレードでラシード・ウォーレスを獲得。彼らが軸となったピストンズは、3月には5試合連続70失点未満を記録するなどディフェンス力に磨きをかけた。
第3シードで臨んだ2004年のプレーオフ、ピストンズはイースタン・カンファレンスを勝ち上がった。206cm・109kgのウォーレスに対し、ファイナルの相手レイカーズのシャキール・オニール(元レイカーズほか)は216cm・147kgと圧倒的な体格差があり、コービーやカール・マローン(元ユタ・ジャズほか)、ゲイリー・ペイトン(元シアトル・スーパーソニックスほか)もいたことから、下馬評ではレイカーズが圧倒的有利とされていた。
しかしピストンズは、その下馬評を覆した。そのシリーズ、シャックは両チーム最多の平均26.6得点を残したが、ピストンズはウォーレスの奮戦でダブルチームを仕掛けずに済み、周りの選手たちを抑えることに集中できたことが奏功。レイカーズをシリーズ平均81.8得点、フィールドゴール成功率41.6%に抑え込み、4勝1敗の早期決着で、球団史上3度目の優勝を果たした。
ファイナルMVPには、シリーズ平均21.0得点、5.2アシストのビラップスが受賞したが、10.8得点、13.6リバウンド、1.8スティール、1.0ブロックを残したウォーレスの働きなしに、この優勝はあり得なかった。
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