2019.04.12

NBA3連覇か、黄金時代の終焉か。
王者・ウォリアーズの「不安要素」

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ゴールデンステイト・ウォリアーズは、1990年代以降ではシカゴ・ブルズ、ロサンゼルス・レイカーズに次ぐ3連覇を達成できるのか。現地時間4月13日から始まる2018-19シーズンのNBAプレーオフにおける最大の見どころは、現代の最強チームの行方になるだろう。

 ケビン・デュラント、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを擁するチームは、昨オフにニューオーリンズ・ペリカンズからFAになったデマーカス・カズンズを獲得してさらにパワーアップしたはずだった。しかし、全ポジションにオールスター経験者を揃えたにも関わらず、シーズンの勝率.695(57勝25敗)はこの5年間では最低。3年前にはシーズン73勝を挙げたスター軍団が、やや低調なレギュラーシーズンを過ごしたことは事実だ。

シーズン終了後の移籍が噂されるデュラント 今季はシーズンを通して故障者が多発し、エースのカリーは13戦、守備の要であるグリーンも16戦を欠場。このように主力選手がケガに苦しんだ原因として、4年連続でNBAファイナルに出場し、6月までプレーを続けたことによる疲労の蓄積を指摘する声も出ている。

 また、コンディションの問題と同時に、今季終了後にプレーヤーズオプションでFA権を得るデュラントの去就を巡る話題もチームを騒がせてきた。

「FA戦線はゲームの一部だし、NBAの楽しい部分でもある。だから、何も知らないふりをするつもりはない。ただ、僕の仕事は毎晩、可能な限りベストのプレーヤーでいることなんだ」

 デュラントは昨秋のニューヨーク・ニックス戦時にそう語り、今季中はプレーに集中したいと強調していた。しかし一方で、開幕前後からさまざまな形でFAに関してのコメントも残してきており、それに関してウォリアーズの一部の同僚がフラストレーションを感じたとしても、やむを得ないところだろう。

 昨年11月12日には象徴的な事件が起こった。この日のロサンゼルス・クリッパーズ戦の途中、グリーンとデュラントがゲーム終盤のプレーに関して舌戦を展開。言い争いの最中、グリーンはデュラントに「お前なんて必要ない。俺たちはお前抜きでも優勝したんだ。FAで出ていけばいい」とまで言い放ったというのだから穏やかではない。

 この試合後、グリーンは1試合の出場停止処分を受けて決着。その後、デュラントとグリーンは表向きは和解し、力を合わせて優勝を目指していくことを誓った。それでも、こんな”不細工な一件”があれば、ウォリアーズのケミストリーが疑われるのも仕方のないことだ。