折茂武彦が日本バスケ界に提言「目先の結果だけでなく若手育成も重要」 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

1万点達成記念イベントには、代表生活を共に過ごした佐古賢一氏も駆けつけた(左)1万点達成記念イベントには、代表生活を共に過ごした佐古賢一氏も駆けつけた(左)

――最後に折茂選手のキャリアに関して質問します。これはずっと聞きたかったことなのですが、2006年に36歳で日本代表に復帰したとき、スロベニアの山で高地トレーニングをし、海外遠征を多くこなし、若手と同じ練習をやり切りました。そのときジェリコHCが「君がこのトレーニングをやればあと3年は現役をやれるよ」と言ったことを覚えています。今48歳になってもやれているのは、あの時のトレーニングが効いているのでしょうか。

 それはもう、めちゃめちゃ効いていますよ。凄まじいトレーニングで尋常じゃなかったですから。ジェリコには本当に感謝していて、2006年に「君が必要だ」と言ってもらい、再び代表の舞台に立つことができた。あの時に厳しいトレーニングをしなかったら、ここまでやれたかどうかはわかりません。世界選手権を戦い抜いて「まだ自分はできる」というメンタルになれましたから。その自信でスイッチが入り、プレー時間が減っていたトヨタ自動車から北海道に移籍し、ここまでやることにつながったんです。

――そんな中で、1月5日の三河戦にて、日本記録となる通算1万点を達成しました。大記録を達成した思いと今後の目標を聞かせてください。

 1万点は今まで26年間やってきた一つひとつの積み重ねだと思っています。自分は点数を取ることにこだわりがあって、それが役割だと意識してやってきたので、得点を積み重ねてこられたことはうれしいですね。

 ただ、現役である以上、1万点はひとつの区切りであって、これからも(得点を)積み重ねていくことに変わりはない。自分が引退する時に「これだけのことをやった」と褒めてあげられるのか、満足していないのかは終わってみないとわからないことです。今はコートに立った時にチームのために何ができるのかを考えながら、残り少ない競技生活を送りたいと思います。

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