レブロンが新天地レイカーズで笑顔な理由。「すべてのゲームが学び」 (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Image

 今後に何があっても、レイカーズが現在のメンバーのまま今季中に王者ウォリアーズの壁を乗り越えることは、やはり難しいだろう。入団当初にレブロンが明言していたとおり、数年がかりで強いチームを作っていくのか。あるいはシーズン中でも方向性を変え、さらなる補強を目指すのか。

「何が起こっても不思議はないよ。来年の2、3月には今のメンバーとはまったく違ったチームになっている可能性がある。とりあえずはレブロンとイングラム、ボール、クーズマあたりを中心にやっていくだろうが、2月のトレード期限にはカワイ・レナード、アンソニー・デイビスがマーケットに出る可能性も十分だ」

 ベテランNBAライターのクリス・シェリダンがそう指摘するとおり、レイカーズが来年早々にも大型トレードを行なう可能性を指摘する声は消えない。ボール、イングラム、クーズマという若手トリオのうち1、2枚を放出すれば、今季中にデイビスのようなスーパースター獲得も不可能ではない(ラプターズの好調ぶりを見ると、トレード期限でのレナードの移籍は考えにくいが)。

 しかし、そこまで焦る必要はないのかもしれない。今年は現状のメンバーで辛抱強く戦い抜き、若手を成長させ、ケビン・デュラントがマーケットに出てくることが予想される来夏に補強を狙うのも悪い流れではない。そういった判断の難しい要素があるからこそ、レブロンとレイカーズの今後は余計に興味深くなる。

 少なくとも12月上旬の時点で、ロッカールームでも頻繁に笑顔を見せるレブロンはLAでのプレーを楽しんでいるように見えた。もともと自ら高得点を挙げるよりも周囲を"ベター"にすることに喜びを感じるタイプだけに、成長株が多い現在の環境は最適なのかもしれない。

 ただ......勝利へのプレッシャーが厳しい大都会LA。シーズンが進めば笑顔を見せていられない状況に変わることもあるだろう。だからこそ、周囲の関心はレブロンに集まる。"キング・ジェームズ"の一挙一動から目が離せない。

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