男子バスケ、W杯出場に黄信号。Bリーグ戦士にできることはないのか (2ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 2019年のワールドカップ出場は、男子バスケットボール界にとっては使命だ。バスケットボールはオリンピックの開催地枠が保証されていない競技。FIBA(国際バスケットボール連盟)からは実力不足を指摘されているために、是が非でもワールドカップに出場して成長した姿を示さなければならない。何より、世界の舞台から遠ざかっている日本としては、ワールドカップに出て経験を積み上げていきたい。それなのに、その夢の舞台が遠ざかる危機に瀕している。

 ここで、アジア全体の予選状況と日本の立ち位置を確認したい。

 ここまでの戦いから見えてくることは、どこの国もトップの選手層が出て万全に戦っているのかといえば、決してそうではないということだ。リーグ中に行なわれる予選ゆえに、どこも負傷者や不調な選手がいてベストな布陣を組むことは難しい。それでも、各国が手を尽くしてこの予選に挑んでいる。

 リーグを中断せずに予選に臨んでいるフィリピンは、コンディション維持と選手層の底上げが課題だった。そんな中でこの2月ラウンドは、22日に格上のオーストラリアに対して、控え選手に多くのプレータイムを与えていた。その結果、22日は敗れたものの、若手選手が25日の日本戦で自信を持ってプレーすることにつながった。

 世代交代に差し掛かったイランは昨年11月の予選では代表編成がうまくいかずに1敗を喫してしまうが、この2月からは、代表から2年遠ざかっていた得点源のサマッド・ニックハ・バハラミを復帰させている。チームリーダーが戻ったイランは士気を高めることに成功している。

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