U19W杯で歴代最高の10位。接戦の連続に日本バスケの未来が見えた (5ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 とくに、リバウンドを取ってからボールを運んでフィニッシュまで持ち込むプレーに関しては、国内の大学生には見られないほどのプッシュ力があり、ジャンプシュートや3ポイントの確率が高くなっていた。それでも八村は「まだまだ課題が見えた大会でした。特にシュートの正確性はチョイスが悪いところがあった」と満足はしていない。そしてもうひとつ学んだことは、終盤に体調を崩した中で感じたコンディショニングの重要性だ。

「この大会で感じたのは『NBA選手ってすごいな』ということ。こういう国際大会のようなレベルの高いゲームを半年以上続けてやっていて、そうした体力的にきつい中でも、プレータイムも移動時間も長い中で試合をしていることがすごい。僕はNBAに入りたいので、こういう大会で体調管理や食事に気を遣うことが大切だと、NBAに行くための勉強になりました」

 今後も高いレベルでプレーしていくからこその気づきは、ゴンザガ大での新シーズンにつながるとともに、すぐに日本代表へと通じるものがあるだろう。課題はあるにせよ、八村が魅せたプレーは今すぐ日本代表に加えても戦力となり、U19の舞台を通して、日本の未来が描けるものだった。

 チーム作りにおける団結力と準備による成果。そして若きエース八村塁の存在感。この大きな2つの未来こそが、U19ワールドカップで得た収穫であり、今後、日本のバスケットボール界が生かさなければならない課題だろう。

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