【NBA】バークレーも「ヤツは本物」。長髪、口ヒゲ、異色の22歳とは? (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by Getty Images

 そんなアダムスは、少し変わった経歴の持ち主だ。出身はニュージーランドのロトルアという街。ロトルアは温泉が多く湧き出ている街で、アダムスいわく、「いつでも、誰かが顔の前で屁をこいたような臭いがしている街」らしい。思ったことを躊躇(ちゅうちょ)なく口にするのも、アダムスの魅力のひとつだ。

 18人の異母きょうだいの末っ子。体格に恵まれ、運動能力に長けた血筋で、姉のひとり、バレリーは北京五輪とロンドン五輪において砲丸投げで金メダルを獲得している。

 アダムスがその運動能力をバスケットボールに向けるようになったのは、14歳のとき。13歳で父が亡くなった後、学校に行かなくなり、地元のギャングとつるむようになった彼を心配した兄のひとり、ウォーレンに引き取られたことがキッカケだった。

 かつて、自身もバスケットボールのニュージーランド代表としてのプレー経験があったウォーレンは、元チームメイトのコーチに相談し、アダムスは奨学金で寄宿舎付きの学校に入学することができた。そこから、彼の人生は変わった――。目標に向かって努力し、達成し、成長するという世界に夢中になり、選手として頭角を現していったのだ。4年後にはアメリカの大学、ピッツバーグ大から奨学金を得て留学。そのさらに1年後には、サンダーからドラフト1巡目で指名された。

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