2014.06.05

【NBA】ファイナルはヒートvs.スパーズ。12年ぶりの3連覇なるか?

  • 水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro photo by AFLO

 ただし、フォーマットがどうであろうと、両チームとも、ここまで積み上げてきたスタイルを崩す気は毛頭ないはずだ。

 奇しくも両チームは、「ビッグスリー」と呼ばれる3選手を擁する。ヒートが誇るビッグスリーは、SFレブロン・ジェームズ、SGドウェイン・ウェイド、Cクリス・ボッシュ。スパーズのビッグスリーは、Cティム・ダンカン、PGトニー・パーカー、SGマヌ・ジノビリの3選手だ。

※ポジションの略称(PG=ポイントガード、SG=シューティングガード、SF=スモールフォワード、PF=パワーフォワード、C=センター)

 しかし、互いにビッグスリーを擁するも、その戦い方は正反対と言ってもいい。例えばヒート。カンファレンス・ファイナル第5戦、レブロンがファウルトラブルに陥り、プレイオフ自己最低の7得点に終わったゲームがあった。ヒートはレブロンのプレイングタイムが24分と制限される中、ペイサーズに善戦するも、90対93の3点差でゲームを落としている。今プレイオフにおいて、レブロンの平均27.1得点、6.8リバウンド、5.0アシスト、1.8スティールは、すべてチームナンバー1。レブロンがコートに立っているか否かで、ヒートは別チームに様変わりする。

 反対にスパーズは、ビッグスリーの誰かがコートにいない状況でも、チーム力も、そのスタイルも一変しない。主軸になるのは前述の3選手であっても、もはや芸術といっていいほど洗礼されたパスワークで相手ディフェンスを切り裂き、ミスマッチが生じれば見逃さず、相手の急所をいやらしいほど突いていく。サンダーとのカンファレンス・ファイナル第6戦、パーカーは足首を捻挫した影響で後半以降、一度もコートに立っていない。だが、チームナンバー1の平均17.2得点を上げているパーカーの不在は、チームの致命傷とはならなかった。ベンチスタートのオールラウンダー、ボリス・ディアウがチームハイの26得点を挙げ、延長戦の末に勝利を収めている。

 現地6月3日、スパーズのグレッグ・ポポヴィッチHCはパーカーの状態について、「日に日に回復している。第1戦はプレイできると思う」と語り、パーカー本人も「準備はできている」と、出場への意思を示した。昨年のファイナルでも、パーカーは左ハムストリングに肉離れをおこした際、以下のように語り、コートに立ち続けた。

「俺のハムストリングはいつ断裂してもおかしくない。レギュラーシーズンだったら10日ほど休んでいただろう。だけど、今はNBAファイナルだ。もし切れてしまったら、それも人生」

 たとえ足を引きずる状態でも、パーカーはファイナルの舞台に立つだろう。もちろん、プレイングタイムを制限せざるを得ない可能性は十分にある。それでもスパーズには、それを補うだけのベンチメンバーが控えている。

 ファイナルでの両チームの注目選手を挙げるなら、ヒートでは、SFラシャード・ルイスとSGレイ・アレンの元シアトル・スーパーソニックスの2選手だ。ヒートのオフェンスは、とにもかくにもレブロンが主体。パワーとスピードを兼ね備えたレブロンを1on1で守れる選手はいない。そのため、ボッシュはインサイドのプレイヤーながら、レブロンのドライブ時のスペースを確保するため、スリーポイントライン付近にポジションを取ることが多い。