【NBA】ヒート連覇達成!レブロン・ジェームズがジョーダンを超えた日 (3ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 レブロン、ドウェイン・ウェイド、クリス・ボッシュの3人は、通称「ビッグ3」と呼ばれているが、今シーズンを見る限り、実際はレブロンの「ビッグ1」と言っていいだろう。近年ひざの故障に泣くウェイドや、オフェンス力の低下したボッシュと違い、すべてを兼ね備えるレブロンは孤軍奮闘の活躍ぶりでヒートを牽引した。

 だが、時としてその万能さは、人々の批判を買う。得点すべき時にパスを回すなど、「なぜもっと攻撃的に得点を狙わないんだ?」と責められることも実に多い。とりわけ、ファイナルのような優勝がかかった試合では、そうような批判は大きくなる。なぜならば、マイケル・ジョーダンなど過去のスーパースターたちは、レギュラーシーズンよりもファイナルで平均得点をアップさせていたからだ。

 しかし、平均得点よりも重要なのは、「ここぞ」という場面で活躍することである。第6戦、第7戦という重要な局面で見せたレブロンの鬼神のパフォーマンスは、まさにそれだった。

 第5戦後、アメリカの人気スポーツ週刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』の電子版に面白い記事が掲載された。プレイオフで王手をかけられ、「負けたら終わり」の状況において、レブロンの勝負強さについての内容だ。

 記事によると、レギュラーシーズンで平均27.6点を記録しているレブロンの数字は、「負けたら終わり」の状況となったプレイオフの試合では、31.5点へと跳ね上がっている。それは、マイケル・ジョーダンの31.3点をも上回っているのだ。

「次の試合(第6戦)は、自分が爆発しなければならないんだ」

 第6戦、32得点。第7戦、37得点——。第5戦後に残したその言葉を、レブロンは見事に実行してみせたのである。

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