勇気ある決断。bjリーグからNBLへ参入する千葉ジェッツの狙い (3ページ目)

  • 木村元彦●取材・文 text by Kimura Yukihiko 山本雷太●撮影 photo by Yamamoto Raita

――坂本竜馬ですね。

島田「結局、一緒にならなくてもいいというbjサイドと、一緒にならないんだったらもういいよと言っているNBLではいつまでたっても前に進まない。ファン心理から考えたら、(昨季bj王者の)琉球ゴールデンキングスと(今季JBL王者の)アイシンは、どっちが強いんだって本当は見たいわけですよね。

 JBLのマニアックバスケット、bjのエンターテインメント性が複合されれば、ファンもたくさん来るでしょうし、ひとつになって盛り上がっているという画があれば、メディアも付きやすい。そうして、事業性が高まってくれば、選手に対する給料もたくさん払えるようになる。そうすれば、子どもたちが未来を目指すステージも作れるし、親も子どもにバスケットを勧めやすい。やはり事業性が担保されていかないと、プロリーグというのはあり得ない。その重要性を高めていくには、bjとNBLが一緒になること以外にはないと私は思っています」

――やはり近い将来の統合のために参入を決意したわけですね。

島田「私は、どちらの経営陣も知っているわけです。そんな偉そうな話じゃないですけれど、少なくとも『プロっていいよ』という啓蒙活動みたいなものはできるでしょう。そのためにわれわれは新規参入すると。NBL参加申請の締め切りの6月23日の前日まで悩んでいましたが……」

 ここでbjから1チームも動かなければ、将来はない。バスケ界の統合の楔(くさび)にならんと島田はNBL参戦を決めたという。

 一チームの社長でありながら、「元々バスケ界にいなかったから決断できた(島田)」という大局的見地である。彼にとっても統合は悲願なのだ。

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シリーズ 『スポーツ紛争地図』

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