【NBA】コービー不在でもレイカーズが常勝軍団スパーズを食らう? (2ページ目)

  • 永塚和志●文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by Getty Images

※チーム順位は各カンファンスでの順位※チーム順位は各カンファンスでの順位 一方、最も勢い良くポストシーズンに突入したのが、デンバー・ナゲッツ(第3シード)だ。2月23日からの15連勝を含め、終盤に23勝3敗という驚異的な成績でレギュラーシーズンを終了。しかも23勝のうち、13勝は10点以上の差をつけての完勝だった。また今シーズン、ホームで圧倒的な強さを発揮しており、その勝率はリーグ1位(38勝3敗・勝率.927)をマーク。プレイオフでも、これは大きなアドバンテージとなるだろう。

 そんなナゲッツとアウェーで戦うことになるゴールデンステート・ウォリアーズ(第6シード)は、少々、分が悪いかもしれない。しかし、両チームともコートを縦横無尽に走って得点を狙う「ラン&シュート」スタイルを得意とする。そんな両チームが激突すれば、観客を魅了する試合になることは間違いない。

 そして、今年のプレイオフ1回戦で一番予想しづらいカードは、サンアントニオ・スパーズ対ロサンゼルス・レイカーズ(第7シード)ではないだろうか。常勝軍団のスパーズは、昨年、レギュラーシーズンで順調に勝ち星を積み重ねたものの、ティム・ダンカンをはじめベテラン勢に疲れが見え始め、プレイオフの最後はガス欠した感があった。そして今年も、レギュラーシーズン終盤に主力のマヌ・ジノビリを故障で欠くと、同じような雰囲気になって12勝10敗と大きく勝率を落としている。シーズン終了直前、かつて2年連続で得点王に輝いたトレイシー・マグレディを獲得したものの、ダンカン=36歳、ジノビリ=35歳、マクレディ=33歳、という高齢は気になるところだ。

 対するレイカーズは、エースのコービー・ブライアントをアキレス腱断裂で失い、プレイオフで勝ち上がるのは厳しいと言われている。しかし、コービーがいなくなったことで、パウ・ガソルとドワイト・ハワードのツインタワーを軸に、インサイド中心の戦術が固まりつつある。もしそれが機能すれば、スパーズ相手に手堅いゲーム運びで接戦を演じるかもしれない。決して派手さはないものの、プレイオフ進出をかけたレギュラーシーズン終盤戦では、ゴール下でのハードなプレイでチームを勝利に導いていた。現地では、このカードを「最も興味深い」と評する記者や解説者が多い。

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