【NBA】カーメロ・アンソニーの焦り。
「どこで間違ってしまったのか」

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko  photo by AFLO

 カーメロ・アンソニー(ニューヨーク・ニックス/SF)は、焦りを感じている――。

 NBAは4月13日にレギュラーシーズンの全日程が終了し、4月16日からプレーオフが始まっているが、今年もまた、彼はその舞台に立つことができないのだ。3年連続でプレーオフを逃したことになる。

今年もプレーオフの舞台に立てなかったカーメロ・アンソニー今年もプレーオフの舞台に立てなかったカーメロ・アンソニー 4月14日、プレーオフに駒を進めたチームが優勝に向けて練習を始めたころ、アンソニーは球団社長のフィル・ジャクソンらとオフシーズン前の面談を行なった。お互いに本音で、ありとあらゆる話をしたというが、そのすべての話の根底に、プレーオフに出られないチームへのアンソニーのフラストレーションがあったことは想像に難(かた)くない。

 面談の後、アンソニーは番記者たちに語った。

「去年17勝(65敗)だったのを、今年は勝ち星を倍近く増やした(32勝50敗)から、前に進んでいると言う人たちもいる。でも、僕の見方は違う。たしかに前進はしているけれど、プレーオフに出るのに十分な進歩ではなかった。僕はこのリーグに入って、最初の10年はずっとプレーオフで戦っていた。この3年、それを経験できないことで多くの疑問が浮かんでくる。いろいろと考えてしまうんだ」

 たしかに、アンソニーはルーキーシーズンから毎年、当たり前のようにプレーオフに出場して戦ってきた。デンバー・ナゲッツ時代に7回、ニックスに移籍して3回。そのうち8回はファーストラウンド敗退で、当時は1回戦を勝ち抜けないことでフラストレーションを感じていた。だが、その後3年連続でプレーオフ出場を逃し、NBAファイナルへのスタートラインにもつけなくなるとは、思ってもいなかった。

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