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【F1】角田裕毅「エンジニアと何を話せばいいかわからない」 低迷から救ってくれた先輩アルボンの存在 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【食事の誘いを断る姿勢に安心】

── 当初はF1をナメていたところもあり、トレーニングもしっかりやらず、ミルトンキーンズの自宅でウーバーイーツ三昧だったと、本人があとで明かしていました。

「2021年は、僕もコロナ禍の渡航制限の影響で、シーズン中はずっとミルトンキーンズに滞在していました。角田もミルトンキーンズに住んでいたから、時々『ステーキを食べに行こうぜ』って誘って、郊外にある熟成肉のステーキハウスに行ったりしていましたね。

 でも、誘った時も2回に1回くらいは『トレーニングがあるから何時以降じゃないと行けません』って返事が来るんです。10人中8人か9人くらいのドライバーは、即答で『行きます!』って返事しますよ。だけど角田は違ったし、僕はあれを見て安心しました。

 そうやって真面目に取り組んでいることもそうだし、僕のような立場の人間にもきちんと意見をして、自分がやるべきことを優先できるということですから。田辺(豊治テクニカルディレクター)さんの家でご馳走になったりもしていたので、環境もよかったですよね」

── シーズン前半戦の成績では、2年目のシート確保が決められない微妙な情勢でした。チームへの残留に向けたプレッシャーも、角田選手のなかにあったようです。それに対して、ホンダとしてはどのような姿勢だったのでしょうか?

「ホンダのF1への直接的な関与は2021年で終わるし、僕自身が2022年以降、そのフィールドにいないということもわかっていたので、なんとかその先につなげてやりたいという思いは常にありました。

 せっかくF1に昇格したのに、ホンダの撤退とともに角田もシートを失うようなことはなく、ホンダが乗せたのではなくて角田自身の力でF1に乗ったんだということを証明させてあげたいという思いでした」

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