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【F1】角田裕毅「ローソンを抜きたい」欲求をグッと抑えて6位 レッドブル代表も「今年一番のレース」と大喜び

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

F1第17戦アゼルバイジャンGPレビュー(後編)

◆レビュー前編>>

 アゼルバイジャンGPで6番グリッドから好発進を決めた角田裕毅(レッドブル)は、ジョージ・ラッセル(メルセデスAMG)との攻防の末に6位入賞を果たした。

 足もとにハードタイヤを履き、レース後半にセーフティカーが出るのを延々と待つ──。今までのようにロングランに自信がなければ、絶対に採ることはできなかった戦略だった。

フェルスタッペンの優勝と角田裕毅の6位を喜び合った photo by BOOZYフェルスタッペンの優勝と角田裕毅の6位を喜び合った photo by BOOZYこの記事に関連する写真を見る ミディアムスタート勢相手に、序盤で劣勢に立たされるのは承知の上。しかし、チームメイト同士の争いで隙のできたラッセルを抜いて5位に上がり、5周で抜き返されたものの、うしろにシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)を抑えながらペースを守って走行を続けた。

 20周目にピットインしたリアム・ローソン(レーシングブルズ)に対し、角田は38周目まで使い込んだハードタイヤで渾身のプッシュを続けた。じわりじわりとギャップを広げ、ピットインしてローソンの前へ。タイヤが温まる前にローソンに先行を許したものの、ルクレールとノリスは依然として抑え込むことに成功した。

 最終コーナーの脱出と最高速が速いローソンに対し、ストレートエンドでトウに入り、インに飛び込めそうなチャンスは何度かあった。しかし、角田は強引に飛び込むことはしなかった。モンツァで不用意な接触を犯し、チームに損失を与えたことを、しっかりと心に刻んでいたからだ。

「(ローソンの)ハードタイヤはかなりデグラデーション(性能劣化)が小さかったですし、僕が履いていたミディアムは予選で使った中古タイヤだったので、あっという間にオーバーヒートしてしまいました。アグレッシブな仕掛け方をしてランド(・ノリス)に抜かれてしまったり、さらに(ローソンまで抜いて)前に出られるのは、チームにとって最悪の展開ですからね。

 オーバーテイクを決めてヒーローになるようなことをやりたい、という気持ちもないわけではありませんでしたけど、レッドブルファミリーとして2台がマクラーレンの前にいることが最も重要なことなので、ここではやるべきではないと思いました。自分としては正しい判断をしたと思っています」

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著者プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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