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【F1】角田裕毅がレッドブル以外の選択肢を語った「来季レーシングブルズで走ることも問題ない」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【今までのベストレースのひとつ】

 その知識が身についたことで今後は同様のミスは起きないし、何よりあの難しい状況下で冷静に対処し、結果をつかみ取れたことは大きかった。

 これはドライバーとしての速い・遅いという次元の話ではなく、どんな状況下でも常にベストな働きができるかどうかという、トップチームのトップドライバーに求められる資質の問題だ。

「スパ(ベルギーGP)では自分たちでコントロールできることをうまくコントロールできず、起こってはいけないことが起きて自らチャンスを逃した。ただ、オランダのピットレーンのマップのことは知らなかったので、何かトラブルが起きたのかと思いました。そこはとやかく文句を言うのではなくて、今置かれているなかで自分の力を最大限出しきるしかないと意識しました」

 レース週末のアプローチにしても、FP1から予選まで入念にセットアップを仕上げ、ドライビング面でも第三者の視点を採り入れてまとめ上げたのが、あの予選だった。

 結果的にはぶっつけ本番のセットアップ変更を選んだマックス・フェルスタッペンと0.500秒もの差がついてしまった。だが、角田自身のマシンからは今までにない速さを引き出すことができた手応えはあったという。それが、同じセットアップで走る決勝での走りにもつながった。

「オランダGP(予選)のセットアップでは、ある程度引き出せたと思います。もちろん100パーセントではないにしても、今までで一番引き出せたなと。

(フェルスタッペンが採用したような)違うセットアップにした時にどこまで引き出せるかとなると、また話は違いますけど、そこも徐々に上げていってはいます。決勝ではすべてをまとめ上げることができましたし、レース週末全体のなかでの進歩という意味では、今までのベストレースのひとつだったと思います」

 2度にわたるセーフティカー出動の不運や、ペダルマップ問題など、降りかかった数々の災難を乗り越えて入賞できたことは、角田自身にとって非常に大きな意味があったと言えそうだ。

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