検索

今季F1王者争いは「撮影していてかなりもの足りない」 ベテランカメラマン2人が漏らす不満「セナやシューマッハの時は...」 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【チャンピオン争いはちょっと地味(笑)】

ーードライバーズランキングで首位に立つオスカー・ピアストリ(284点)と2位のランド・ノリス(275点)の差は9ポイントです。マクラーレンのふたりによるチャンピオン争いはどう見ていますか?

桜井 関係者の間ではピアストリのほうが評価は高いと思います。やっぱりノリスに比べると安定していますし、競り合いもうまい。コース上の走りに関してはピアストリが格上です。ただ、だからといって必ずしもピアストリがチャンピオンになるというわけではないと思います。

 これまでの戦いを見ていると、マクラーレンはどちらかと言えば、ノリスにタイヤ戦略の優先権を与えているように私には見えます。チームのサポートを得ているという意味では、今のところノリスが有利なのかなと感じます。

ドライバーズランキングで首位争いをしているマクラーレンのオスカー・ピアストリ(右)とランド・ノリス(左) photo by Sakurai Atsuoドライバーズランキングで首位争いをしているマクラーレンのオスカー・ピアストリ(右)とランド・ノリス(左) photo by Sakurai Atsuoこの記事に関連する写真を見る

熱田 マクラーレンのクルマは乗りやすそうだし、ふたりの実力は拮(きっ)抗しています。だから最終的にはサーキットの得手不得手とか、クルマのセットアップがうまく合わせられたほうが勝っていくんだろうなと予想しています。

 ふたりのチャンピオン争いはスリリングで面白いですが、ちょっと地味ですよね(笑)。正直、若いドライバーがポンといいマシンに乗って、サッとチャンピオンを獲ってしまうというイメージなんですよね。

桜井 あまりドラマチックじゃないですよね。あと表彰台の振る舞いも、もう少し頑張ってほしい。歴代のチャンピオンたちは自分を見せるのがうまかったですよね。たとえば、アイルトン・セナは自分で頭の上からシャンパンをかけたり、ミハエル・シューマッハは表彰台の上でジャンプしたり、自分なりに喜びを表現していたと思います。

 しかしマクラーレンのふたりは、そういう気がまったくないんですよね。昨シーズンのハンガリーGPでピアストリが初優勝した時も、表彰台の上に普通に立っているだけでしたから(笑)。

熱田 最高峰のF1で勝てば、ドライバーは誰しもうれしいはずじゃないですか。でも、マクラーレンのふたりは心の底から喜んでいるという感じがないので、肩透かしを食らうというか(笑)。まあマクラーレンの2台が速すぎるのも影響しているのかもしれないですね。他のチームの誰かが迫ってくるわけでもないし、ほぼチームメイト内の争いですから。

 メルセデス時代のニコ・ロズベルグとハミルトンがタイトルを争った時(2014年〜2016年)はお互いから「こいつには絶対に負けられない」という強烈なライバル意識を感じましたが、ノリスとピアストリの場合はピリピリしたところがない。仲がいい好青年同士でレースをしているという感じなんですよね。今までのチャンピオン争いとは雰囲気がまったく違います。

桜井 演出家をつけてほしいですね(笑)。ピアストリがポーカーフェイスなのはわかりますが、カメラマン的にはちょっとというレベルじゃなく、かなりもの足りない。表彰台のセレモニーはイベントの最後を飾る目玉じゃないですか。嘘でもいいから自分の感情を何か表現してほしい。

 まあドライビングも昔に比べると、肉体的にはラクみたいですからね。そこまで肉体を酷使していないので、優勝した時の気持ちが違うのかなと感じたりしますけど。

2 / 3

キーワード

このページのトップに戻る