【F1】角田裕毅のiPhoneに届いたレッドブル・ホーナー前代表からの惜別の言葉「君の力を見せてやれ」 (2ページ目)
【メキース新代表の就任は追い風?】
レッドブル内で人事が伝えられたその日は、フィルミングデー(※)が実施されていた。シルバーストンのガレージでその報せを受けたメンバーもいたという。
※フィルミングデー=プロモーション撮影用の特別日。スポンサーやチームの企業CM撮影などを行なうための走行であるため、総走行距離に制限があったり、テスト目的の新パーツ搭載は認められていない。
そのひとりであるホンダの折原伸太郎トラックサイドゼネラルマネージャーは、昨年途中までレーシングブルズでともに戦ったメキースと再び同じチームで顔を合せて、ガッチリと握手を交わした。
一部の報道では、レーシングブルズ時代に角田を高く評価していたメキースの代表就任が角田の追い風になるという期待も渦巻いているが、チーム代表の立場に求められる仕事はそうではないと折原GMは指摘する。
「今のところ、現場のオペレーションについて特に変更はありません。どちらかというと、もっと上の立場で見ていくのだと思います。
どのパーツをどう使うといったことを言う立場ではないですし、人材を適材適所で使っていくとか、チームに足りていないのはここだから人を補充しようといったオーガナイズをするのが、あの立場の役割です。チームがうまく転がるようにオーガナイズしてくれることで、(角田)裕毅の結果も自ずと上がってくることを期待したいですね」
マックス・フェルスタッペンがイギリスGPで使った最新型のフロアは、ベルギーGPで角田車にも投入されると言われていた。しかし、チームはこれを断念している。ただ、それは誰かの恣意的な判断ではなく、単純にフロアの製造が間に合わなかったからだ。
「(新型フロアは)使えません。使う予定だったんですけど、今週末は間に合わないらしいです。チームは新しいフロアを用意するために全力を尽くしてくれていますけど、まだいくつかのパーツは(フェルスタッペン車よりも)古い仕様です」
角田は残念そうに言いながらも、全力を尽くしてくれているチームを責めることは決してしない。
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