【F1】角田裕毅の新車は「グリッド上で一番カッコいい」 テストで見えた課題は中速域でのダウンフォース不足 (3ページ目)
【今季はリーダーシップを強く意識】
中団勢ではウイリアムズが3日間とも好タイムを記録し、カルロス・サインツが全体のベストタイムも記録している。昨年終盤戦にマシンを大きく改良してきたアルピーヌも好位置につけ、レースシミュレーションに徹していたハースも最終日には速さの片鱗を見せてきた。
今年も間違いなく中団グループの争いは熾烈で、数少ない入賞圏の空席を7〜8人のドライバーで争うことになりそうだ。
「絶対にタイトな争いになるので、一つひとつのパフォーマンスを上げていくことが重要だと思っています。タイトだからこそ、(わずかなゲインでも)開発競争で優位に立てれば立てるほど、コンスタントにポイントが獲りやすくなる。僕もチームも最大限に準備をして、レースに取り組んでいく必要があると思っています」
タイトな争いだからこそ、開幕後の開発競争がモノをいう。
レギュレーション刷新の2026年に向けて、どのチームも早い段階で今年型マシンの開発は終えて、来季型の開発に集中したい。だからこそ、早期に開発を進めることができれば、今シーズンを通して優位に立つことができるのだ。
「今年のテストでは、将来に向けてクルマのどういうところを強化していくべきか、具体的に何をしていくべきか、自分のなかでハッキリとつかみ取れつつあります。テストで一番大切なのは、そこだと思います」
昨年はその開発競争で後れを取ってしまった。マシンを開発する空力部門だけでなく、ドライバーとしてどうなれば速く走ることができるのか、自分たちの要求をもっとストレートにフィードバックして開発の方向性をリードするべきだったという思いも、角田のなかにはある。
今年はエースドライバーとしてリーダーシップを発揮することを強く意識している角田だけに、開発の方向性が迷走しないようにチームを牽引していくことも、自身に課せられた重要な役割だと認識している。
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