最年少二冠SF&スーパーGT王者・宮田莉朋がついに世界へ「背中を押してくれたトヨタ会長モリゾウさんに感謝」 (5ページ目)
でも、父と母は『ここで昔、マツダが優勝したんだよね』みたいな話で感動していて。サルト・サーキット全体の4分の3は公道を使用しているので、レースの行なわれていないこの日はタクシーに乗って、コースになっている部分を回りました。親は感動していましたが、僕は『早く帰りたいな』くらいの感覚でした(笑)」
── ル・マンでそんなエピソードがあったとは。
「でも、その経験を経て今年ル・マンに行った時、『当時の両親はこの感動を僕に伝えたかったんだな』と感じました。家族旅行で行った当時とはメインゲートの場所が変わっていたり、新しく博物館ができていたり......すごく感慨深かった。レースも24時間まったく寝ずに見ましたし、レース後の表彰式も間近で見ました。
もちろん、ドライバーとして目指す先はF1ですけど、自分にレースのことを教えてくれた両親に恩返しをするのであれば、まずはル・マン24時間を走らないといけないなと思っています」
(後編につづく)
◆宮田莉朋・後編>>カート時代から知る角田裕毅は「当時からあのまんま。彼の弱点は知っていた」
【profile】
宮田莉朋(みやた・りとも)
1999年8月10日生まれ、神奈川県逗子市出身。両親の影響により幼少期からモータースポーツに興味を持ち、レーシングカートで数々のタイトルを獲得。フォーミュラ転向後も快進撃は止まらず、2016年〜2017年には2年連続でFIA F4選手権のチャンピオンとなる。2020年は全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権を制す。2023年にスーパーGTとスーパーフォーミュラでダブルタイトルを獲得。2024年はFIA F2選手権に参戦。身長171cm、体重67kg。
プロフィール
吉田知弘 (よした・ともひろ)
モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。
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